珈琲界に伝わる3大起源伝説とは!コーヒーの歴史。昔々のおはなし。
コーヒーの起源伝説とは
アラビアが起源だと言われているコーヒーには、その起源について様々な伝説があるとされています。
起源伝説に関しては諸説ありますが、その中でも有名な3大起源伝説をご紹介します。
1つ目の伝説「シーク・オマールの伝説」
一つ目は13世紀のイエメン共和国モカにおける「シーク・オマールの伝説」です、当時のモカは疫病が流行っており住民を悩ませておりました。モカ王の娘もまたその一人。
祈祷を捧げ住民の疫病を癒していたイスラム教の聖職者シーク・オマールは、王の娘も病気だという事を知り、同じく祈祷により癒したのでありました。癒しの祈祷を捧げる中、シーク・オマールは美しい王の娘と恋に落ちてしまうのです。
しかし、身分の違う者の恋が許される事はなく、それに気づいた王は激怒しシーク・オマールをオウサブという山中追放してしまうのでした。
十分な食事を取る事もできず、洞窟でのその日暮らしの日々は続き、もうダメかと思ったその時、美しい1羽の鳥が赤い実を咥えて飛び立つのを発見!それを見たシーク・オマールはその実を一口食べてみる事に。
疲れ切った体がみるみる癒され力がみなぎってくる感覚を覚えたシーク・オマールは、その実をたくさん採ってスープにしてみたのでありました。
それを飲んだシーク・オマールは身体が元気になるのを実感。これは人々の為になると思い町へ持ち帰り
人々に広めたそうです。
その結果、人々に感謝され、再度聖職者として街へ戻る事が許された、というものです。
この時のスープがコーヒーだったとされます。
二つ目の伝説「カルディの伝説」
二つ目は9世紀のエチオピア・アビシニア高原における「羊飼いの少年カルディの伝説」です。
放牧生活をしていたカルディという少年がある時、自分の普段はおとなしいひ山羊までもがいつも以上に元気に走り回っている事に気がつきました。
その様子はしばらく続き、不思議に思ったカルディは、山羊たちの様子をよく観察する事に。
すると丘の上に生えている一本の木に赤い実がなっており、山羊たちが美味しそうに食べているではありませんか。
カルディ少年も一緒にその実を食べるとに。甘酸っぱく一口食べると湧き上がる元気。疲れも吹き飛ぶような感覚を持ったカルディ少年。
赤く丸みを帯びたその実は人間までも元気にしたのです。
所変わり、ここはエチオピアにあるとある寺院。
厳しい修行に耐える僧侶たちはいつも疲れと眠気に襲われておりました。
そんな中、たまたま通りかかった場所。そうカルディと山羊たちのいる場所です。
あまりにも元気な様子のカルディー少年達を見て僧侶は尋ねます。
赤い実の話を聞いた僧侶は、その実を寺院に持ち帰りみんなで食べたところ眠気も吹き飛び厳しい修行を乗り越える事ができたそうです。その話は他の寺院の僧侶達の間でも広まり、眠気も吹き飛ぶ修行の際の妙薬として赤い実が広まったそうな。この赤い実こそ何を隠そうコーヒーの実だったというお話です。
三つ目の伝説「ザブハーニーの伝説」
最後は15世紀のアデンにおける「ザブハーニーの伝説」で、イスラム立法学者だったゲマレディン(ザブハーニー)は日々研究に明け暮れる日々。
忙しい日々を送るザブハーニーは体調を崩してしまいます。
なかなかよくならない体調を心配したザブハーニーは、昔エチオピアに旅行で立ち寄った際に現地の人々が利用していたコーヒーを試してみる事に。みるみるうちに頭もすっきりし活力溢れる事を発見。
その後眠気覚ましの効用にも気づいたサブハーニーが、修道士たちに勧め、後に、日々遅くまで仕事を行う職人さんや、商人さんへと広まっていった。
というものです。
時代も場所もなかなかバラバラな逸話が揃っていますが、現代の私たちがその効用として大きく期待している「眠気覚まし」としてのコーヒーの価値は、それぞれの伝説でも大きくクローズアップされています。
イスラム教の僧侶たちが修行する際のつらい眠気を、コーヒーの赤い実を使ってどうにか飛ばしていたという内容には、修行に際して物に頼って本当に良いのか、という気もしないでもありません。
ただ、コーヒーは胃にも良い薬でもあったという書物も残っていることから、「先人の知恵」という認識であれば、これらの伝説も全てアリなのかもしれませんね。
コーヒーの歴史を辿ってみると新たな発見も多く普段飲むコーヒーをより楽しむ事ができます。
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