イベントフードのメニューはどう決める?売れる商品構成・価格・品数の考え方を解説

イベントフードのメニューはどう決める?
イベントやフェスのフードを企画するとき、「何を販売するか」は最も目立つ部分です。
ハンバーガー、カレー、丼、スイーツ、ドリンクなど候補はいくらでもありますが、人気がありそうな料理を並べればイベントフードとして成功するわけではありません。
イベントでは、来場者の滞在時間、開催時間、客層、会場環境、販売数、価格帯などによって求められる商品構成が変わります。
さらに、一つ一つの商品が魅力的でも、主食ばかり、価格が高い商品ばかり、調理時間の長い商品ばかりになると、イベント全体として使いにくいメニューになります。
そのためイベントフードでは、個別の商品開発より先に「フードエリア全体で何をどの比率で販売するか」を決めることが重要です。
この記事ではイベント主催者・制作会社の方向けに、イベントフードのメニュー構成、商品数、価格帯、ジャンル、季節、販売バランスの考え方を解説します。
イベントフードのメニューは単品ではなく「全体構成」から決める
イベントのメニューを考えるとき、最初から「この料理を出したい」と個別商品を決めてしまうケースがあります。
もちろんイベントのテーマを象徴する商品が決まっていることもありますが、それ以外の商品まで一つずつ思いつきで増やしていくと、全体のバランスが崩れやすくなります。
イベントフードでは、最初に次のような商品カテゴリーを整理します。
- 食事系
- 軽食系
- スイーツ
- ソフトドリンク
- アルコール
- イベント限定商品
その上で、イベントの客層や開催時間に合わせて必要な比率を決めます。
つまりメニュー開発というより、最初に商品ポートフォリオを作る考え方です。
最初にイベントの飲食目的を決める
同じイベントフードでも、イベントによって飲食の役割は違います。
例えば音楽フェスであれば、長時間滞在する来場者の食事需要を満たすことが重要になります。
一方、展示会では来場者が短時間で食べられる軽食の方が利用されやすい場合があります。
IPイベントでは、空腹を満たすこと以上に、作品やキャラクターを楽しむ体験としてフードを購入することがあります。
まず、今回のイベントフードに求める役割を明確にします。
- 来場者の食事を確保したい
- イベント滞在時間を長くしたい
- イベント限定体験を作りたい
- 飲食売上を伸ばしたい
- SNSで話題になる商品を作りたい
- スポンサー商品を訴求したい
目的が違えば、選ぶべきメニューも変わります。
開催時間から必要な商品ジャンルを考える
イベントの開催時間は、メニュー構成に大きく影響します。
例えば11時から17時まで開催するイベントでは、昼食需要を取り込む必要があります。
そのため丼、麺、カレー、サンドイッチなど、食事として成立する商品を一定数用意します。
一方、13時から18時程度のイベントなら、食事よりも軽食、デザート、ドリンクの購入割合が高くなる可能性があります。
夕方から夜にかけて開催するイベントでは、アルコールやつまみ系商品の需要が増えることもあります。
「イベントだから何を出すか」ではなく、来場者がその時間に何を食べたくなるかから考えます。
来場者の滞在時間でもメニューは変わる
同じ来場者数でも、平均滞在時間が1時間のイベントと6時間のイベントでは飲食需要が異なります。
短時間イベントでは、来場者が会場内で必ず食事をするとは限りません。
逆に一日滞在するフェスでは、昼食、間食、ドリンクなど複数回購入される可能性があります。
そのため、来場者数だけで商品数を決めるのではなく、イベント内でどの程度飲食機会が発生するかを考えます。
飲食販売数そのものを算出したい場合は、大型イベントで必要な飲食販売数の計算方法|来場者数から発注数・安全在庫まで予測する方法で詳しく解説しています。
来場者属性からメニューを考える
イベントフードは、来場する人によって売れ方が変わります。
ファミリー層が多いイベントなら、子どもでも食べやすい商品やシェアできる商品が必要になることがあります。
若年層が多いイベントでは、見た目や限定感、デザート、ドリンクなどの購入動機が強くなる場合があります。
ビジネスイベントなら、片手で食べられる商品や短時間で提供できる軽食の方が使いやすいことがあります。
メニューを決める前に、
- 年齢層
- 男女比
- 家族連れの割合
- イベントへの参加目的
- 平均滞在時間
- 想定客単価
などを整理します。
食事・軽食・スイーツ・ドリンクの役割を分ける
イベントフードでは、すべての商品を同じ目的で作る必要はありません。
例えば食事系商品は客単価を作りやすく、ドリンクは購入頻度を増やしやすい商品です。
スイーツはイベント限定感やSNSとの相性を作りやすく、軽食は食事をするほどではない来場者の需要を拾えます。
それぞれ役割が違います。
| カテゴリー | 主な役割 |
|---|---|
| 食事 | 満腹需要・高客単価 |
| 軽食 | 購入ハードルを下げる |
| スイーツ | 限定感・SNS・追加購入 |
| ドリンク | 高頻度需要・セット販売 |
| 限定商品 | イベント体験・話題性 |
イベント全体でこの役割を組み合わせます。
メニュー数は多ければよいわけではない
来場者に選ぶ楽しさを提供するため、メニュー数を増やしたくなることがあります。
しかしSKUを増やすほど、食材、容器、在庫、調理工程、表示物なども増えます。
さらに注文時に迷う時間も増えるため、会計速度が下がることがあります。
大型イベントでは、20商品を少量ずつ販売するより、人気が見込める10商品を大量に安定して販売した方が運営しやすいケースがあります。
必要なメニュー数はイベント規模だけでなく、販売レーン数や厨房能力まで含めて決めます。
主力商品を明確にする
すべての商品を同じ数量販売する前提にする必要はありません。
イベントでは、メインとなる商品と補助的な商品を分けます。
例えば10商品あったとしても、売上の中心になる3〜4商品を主力商品として設定する方法があります。
主力商品については在庫、厨房設備、販売レーンを厚くします。
一方、販売数量が少ない商品は大量在庫を抱えず、イベント全体の選択肢として配置します。
商品ごとに役割と販売予定数を変えることが重要です。
イベント限定商品を1つの集客装置として考える
イベントフードでは、通常の商品だけでなく、そのイベントでしか購入できない商品を作る方法があります。
イベントロゴを使ったパッケージ、限定フレーバー、キャラクターをイメージしたフードなどです。
限定商品は単なる飲食商品ではなく、イベント体験の一部になります。
特にIPイベントでは、飲食目的ではなく「限定商品を購入したい」という理由で来場者がフードを購入することがあります。
ただし見た目だけを優先して調理工程が複雑になると、販売能力が下がります。
商品そのものの大量提供設計については、大型イベントで大量提供できるフードメニューの作り方|提供速度・原価・厨房設備から考えるをご覧ください。
価格帯は一つに揃えすぎない
イベントフードの価格設定では、すべての商品を同じ価格帯にする必要はありません。
例えばすべて1,500円前後の商品にすると、少しだけ食べたい来場者が購入しにくくなります。
反対に500円程度の商品ばかりだと、客単価が伸びにくくなる可能性があります。
イベント全体で、
- 購入しやすい低価格商品
- 中心となる標準価格商品
- 付加価値の高い限定商品
を組み合わせます。
価格帯に幅を持たせることで、来場者が自分の予算に合わせて選びやすくなります。
単価だけでなく「平均購入点数」を考える
イベント飲食の売上は、一商品の価格だけでは決まりません。
例えば平均商品単価が800円でも、一人が2商品購入すれば客単価は1,600円です。
そこでメニュー構成を考えるときは、商品同士の組み合わせも見ます。
例えば、
メインフード+ドリンク
軽食+デザート
限定フード+限定ドリンク
など、複数商品の購入につながる構成を作れます。
単品価格だけを高くするより、自然に複数商品を選べるメニューの方が客単価を作りやすい場合があります。
セット商品は会計を簡単にできる
セット販売には客単価を上げるだけでなく、注文を簡単にする効果もあります。
例えば来場者がフードとドリンクを別々に選ぶ代わりに、あらかじめ組み合わせたセットを作れば、注文時間を短縮できます。
ただしセット内容が複雑すぎると逆効果です。
「ドリンクは8種類から選べる」「トッピングを3種類選べる」といった自由度を増やすほど、注文確認と商品準備に時間がかかります。
大量販売イベントでは、選択肢の多さより処理しやすさを優先する場合があります。
季節によって売れる商品構成は変わる
イベント開催時期もメニュー設計に影響します。
夏の屋外イベントでは冷たいドリンク、アイス、さっぱりした商品などの需要が増えやすくなります。
一方、冬の屋外イベントではスープ、温かい飲料、煮込み料理などの需要が高くなることがあります。
気温によってドリンク需要が大きく変わるため、フードだけでなく飲料構成も季節に合わせて調整します。
イベントドリンクについては、イベントでドリンクを販売するには?必要な許可・保健所確認・アルコール販売まで解説でも詳しく紹介しています。
屋外イベントでは天候変化も想定する
屋外イベントでは、開催日の天候によって商品需要が変わる可能性があります。
想定より気温が高ければ冷たいドリンクが増え、雨や低温になれば冷たいデザートの販売が伸びないことがあります。
すべての商品を固定数量で発注するのではなく、天候による変動が大きい商品を把握しておくことが重要です。
開催直前まで発注調整できる食材と、製造納期が必要なイベント専用商品を分けて管理すると対応しやすくなります。
片手で食べられるかもイベントでは重要になる
イベントでは、必ずしも全員がテーブルに座って食事をするわけではありません。
音楽イベント、展示会、スポーツイベントなどでは、移動しながら飲食する来場者もいます。
そのため商品そのものの味だけでなく、
- 片手で持てるか
- 立ったまま食べられるか
- こぼれにくいか
- 持ち運びやすいか
- 食べ終わった容器を処理しやすいか
も商品選定の基準になります。
容器まで含めてメニューを決める
イベントでは料理と容器を別々に考えない方がよいでしょう。
汁気の多い商品なら深さのある容器が必要になり、持ち歩く商品なら蓋が必要になることがあります。
また限定デザインの容器を使用する場合は、製造ロットや納期もあります。
商品が決まった後に容器を探すのではなく、試作段階から実際の販売容器で確認する方が本番との差を減らせます。
商品写真と実際の商品に差を作らない
イベントでは事前告知としてメニュー写真を公開することがあります。
この写真は来場者の購入判断に大きく影響します。
しかし撮影用の商品だけ豪華に作り、本番では再現できない仕様にすると問題になります。
撮影段階から、本番で数百点・数千点作れる状態を基準に商品を仕上げることが重要です。
トッピング数、盛り付け位置、ソース量なども、本番のスタッフが繰り返し再現できる仕様にします。
メニューごとに目標販売数を設定する
メニューが決まったら、各商品に販売予定数を設定します。
例えば総販売予定数が5,000点で、商品が10種類あるから500点ずつ用意するという分け方は適切とは限りません。
主力商品、ドリンク、デザートでは需要が違います。
一例として、
| カテゴリー | 販売構成比 | 5,000点の場合 |
|---|---|---|
| メインフード | 40% | 2,000点 |
| 軽食 | 15% | 750点 |
| デザート | 15% | 750点 |
| ドリンク | 30% | 1,500点 |
のように、まずカテゴリー別に配分し、その中で商品ごとの数量を決める方法があります。
実際の比率はイベント内容によって変わるため、過去実績や類似イベントを参考に調整します。
売上だけでなく粗利構成も見る
メニュー構成を考えるときは、売れそうかだけではなく原価も確認します。
売上が大きい商品でも原価が高すぎれば、イベント全体の利益が残りにくくなります。
一方、ドリンクや一部の軽食など比較的原価率を抑えやすい商品を組み合わせることで、全体の収益性を調整できる場合があります。
重要なのは、商品ごとの原価率をすべて同じにすることではありません。
イベント全体のメニュー構成として、売上と利益のバランスを見ることです。
高原価の商品はイベントの象徴として使う考え方もある
イベント限定商品では、通常より原価が高くなる場合があります。
例えば特殊な容器、オリジナル資材、大型トッピングなどを使用するケースです。
このような商品をすべて排除する必要はありません。
イベントの目玉として集客やSNS投稿につながるのであれば、その商品単体の利益だけで評価しない考え方もあります。
その代わり、他の商品で利益を確保するなど、メニュー全体で設計します。
「売れる商品」と「大量に売れる商品」は違う
SNSで話題になりそうな商品が、大型イベントで大量販売に向いているとは限りません。
一つずつ複雑な盛り付けが必要な商品は、少量販売では問題なくても、ピーク時間に500件注文が入れば提供が追いつかなくなる可能性があります。
イベントフードでは、
商品力 × 提供速度 × 再現性 × 収益性
を同時に考える必要があります。
魅力的なメニューを作ることと、その商品をイベント会場で販売できることは別の課題です。
全商品の提供時間を測定する
試作が完成したら、実際に商品を1つ完成させるまでの時間を測ります。
例えば、
| 商品 | 提供時間 |
|---|---|
| フードA | 45秒 |
| フードB | 90秒 |
| デザート | 30秒 |
| ドリンク | 20秒 |
という結果が出た場合、90秒かかるフードBは販売能力上のボトルネックになる可能性があります。
そこで工程を変更する、事前準備を増やす、専用レーンにするなどの対応を検討します。
必要レーン数については、大型イベントで必要な飲食レーン数の計算方法|販売数・提供時間から適正レーン数を算出で計算できます。
厨房設備から逆算して商品を変更することもある
イベント会場に十分な厨房設備があるとは限りません。
特に屋外イベントや展示会場では、仮設厨房を設置することがあります。
その場合、メニューによって必要なフライヤー、スチームコンベクションオーブン、IH、冷蔵庫などが変わります。
商品を決めた結果、必要設備が会場へ収まらない場合は、メニュー側を変更する判断も必要です。
仮設厨房については、大型イベントの仮設厨房に必要な設備とは?電源・給排水・厨房機器の設計方法をご覧ください。
イベントフードのメニューを決める順番
イベントメニューは、次の順番で整理すると設計しやすくなります。
- イベントの飲食目的を決める
- 来場者属性と滞在時間を整理する
- 想定飲食販売数を算出する
- 食事・軽食・スイーツ・ドリンクの構成を決める
- 主力商品と補助商品を分ける
- 価格帯を設計する
- イベント限定商品の有無を決める
- 各商品の販売構成比を設定する
- 原価と粗利を確認する
- 提供時間を測定する
- 厨房設備・販売レーンと照合する
- 最終メニューを確定する
この順番なら、料理のアイデアだけでメニューを増やすのではなく、イベント全体の販売計画に合わせて商品を選べます。
イベントメニューでよくある失敗
見栄えの良い商品ばかり作る
写真では魅力的でも、盛り付け工程が多すぎると大量提供できません。販売数量まで想定して商品仕様を決めます。
食事系の商品ばかりになる
すべての来場者が食事を求めているわけではありません。軽食、デザート、ドリンクも含めて構成します。
商品数を増やしすぎる
SKUが増えるほど在庫、厨房、資材、注文確認が複雑になります。選択肢と運営効率のバランスが必要です。
すべての商品を同数発注する
商品ごとに需要は異なります。主力商品と補助商品で販売予定数を分けます。
撮影後に商品仕様を変更する
告知画像と実際の商品が大きく違う状態を避けるため、本番仕様を固めてから撮影することが重要です。
IPイベントではキャラクター数とメニュー数を一致させなくてもよい
アニメやゲームなどのIPイベントでは、キャラクター数だけメニューを作りたくなることがあります。
例えば登場キャラクターが20人いるから20種類の商品を作るという考え方です。
しかし20SKUをすべて飲食商品として運営すると、食材、容器、在庫、厨房、販売表示などが非常に複雑になります。
そこで、フードは数種類に絞り、ドリンクやトッピング、スリーブ、特典などでキャラクター展開を増やす方法があります。
世界観の表現方法と厨房SKUを分けて考えることで、商品展開数を確保しながら運営をシンプルにできます。
イベントフードはメニュー表まで含めて設計する
商品が完成していても、来場者がメニュー表を見て短時間で選べなければ会計に時間がかかります。
メニュー表では、商品名、価格、写真などを分かりやすく配置します。
人気商品やセット商品を目立たせることで、注文を誘導することもできます。
大型イベントでは注文時間の数秒差が、ピーク1時間の会計処理数に影響します。
飲食商品だけではなく、来場者が選んで注文するところまでを一つの設計として考えます。
Team Cafe Tokyoのイベントフードメニュー企画
Team Cafe Tokyoでは、イベント・フェス・IPイベントなどのフード企画、メニュー開発、販売数量設計、厨房設備、販売オペレーションまで一体で設計しています。
単にイベントらしい料理を考えるだけではなく、想定来場者数や客層から商品構成を作り、各商品の販売予定数、価格、原価、提供時間まで確認します。
またオリジナルフードやドリンクについても、本番で大量に再現できることを前提に試作・商品設計を行います。
イベント全体のフード企画については、イベントフードの企画方法|メニュー・販売数・出店方式・運営まで主催者向けに解説もご覧ください。
イベントメニュー開発から大型イベントの飲食運営まで、Team Cafe Tokyoまでお気軽にご相談ください。
イベントフードのメニューは「料理一覧」ではなく販売計画として作る
イベントメニューを考えるとき、重要なのは魅力的な料理をたくさん並べることではありません。
来場者が欲しい商品を適切な価格で選べて、イベント側が必要な数量を安定して販売できる構成にすることです。
そのためには、
来場者 → 飲食目的 → 商品カテゴリー → 価格帯 → 販売構成比 → 提供能力
という順番で考えます。
この設計ができてから個別商品を開発すると、売上だけでなく、厨房や販売オペレーションまでつながったイベントメニューを作りやすくなります。
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イベント・フェスのフード制作会社|飲食企画・メニュー開発・厨房設計・運営まで



