TCT JOURNAL
コーヒーと血圧の関係|一時的な変化と高血圧の人の注意点

コーヒーによる一時的な変化と、日常の血圧管理を分ける
高血圧が気になると、「コーヒーはやめるべきか」と迷うことがあります。コーヒーと血圧の関係は、カフェインによる短時間の変化と、長期間のコーヒー習慣を分けて考える必要があります。血圧は睡眠、塩分、運動、薬など多くの影響を受けるため、コーヒーだけを原因と決めつけないことが重要です。

※画像はイメージです
飲んだ直後と普段の血圧は分けて考える
カフェインを摂った後、一時的に血圧が上がる人がいますが、反応の大きさには個人差があります。飲んだ直後の値だけで、普段の血圧や長期的な影響を判断することはできません。反応を確かめるためにコーヒーを飲んで測る自己実験を、日常の血圧管理の代わりにしないでください。
CDCの血圧測定の案内でも、測定前のカフェイン、喫煙、運動などが値に影響すると説明されています。いつ飲んだかは診察時に伝える情報になりますが、記録を付ければ飲用量の安全性を自分だけで判定できるわけではありません。
高血圧の治療中は自己判断で調整しない
血圧の薬を飲んでいる、医師から生活指導を受けている場合は、インターネットの記事だけを根拠にコーヒー量や薬を変えないでください。診察時に普段の摂取量を伝え、自分の血圧や治療内容に合わせて相談します。処方薬を自己判断で増やす、減らす、飲むのをやめるといった変更はしません。
成人一般向けに示されるカフェイン量の目安も、高血圧で治療中の人にそのまま当てはまる許容量ではありません。何杯なら飲めるかは、カップの大きさや商品、ほかの飲料、治療内容を含めて考える必要があります。
症状がないことを、安全の判断に使わない
高血圧は自覚症状がないことも多く、「数週間飲んで違和感がなかった」「眠りや胃の調子は変わらなかった」だけでは血圧が適切に管理されているとは分かりません。体感の良し悪しと、測定した血圧は別に扱ってください。
高い値が続く場合や治療中の方は、血圧の記録と普段の飲用量を持って医師に相談します。一杯だけが原因と決めつけたり、自分の判断で何日も飲み続けて様子を見たりする方法を、安全確認として勧めることはできません。
家庭で測るときは、飲む前の条件をそろえる
日常の測定は、医師から指定された時刻・回数・方法を優先します。一般的な準備として、測定前30分はカフェイン摂取・喫煙・運動を避け、排尿を済ませて、背もたれのある椅子で少なくとも5分安静にします。足は組まず床につけ、腕を支え、適切なサイズのカフを素肌に巻いて測定中は話さないようにします。
これは測定条件を整えるための案内で、「飲んでから30分待てばカフェインの影響がなくなる」という意味ではありません。個別の指示や測定器の取扱説明書がある場合はそちらに従い、測定条件が普段と違った日は、その内容も記録します。
診察へ持っていく記録は、量と条件が分かるものに
- 血圧を測った日時と値、普段と異なる測定条件。
- コーヒーの商品やサイズ、杯数、飲んだ時刻。
- 紅茶、緑茶、エナジードリンクなど、ほかのカフェインを含む飲食物。
- 服用している薬と、気になる症状があればその内容。
記録は医療者と相談するための材料です。コーヒーを増減して反応を試すためのものではありません。妊娠・授乳中や持病がある場合も、一般的な杯数だけで判断せず、医師や薬剤師などへ個別に確認してください。
突然の強い胸・背中の痛みや呼吸困難は119
突然の激しい胸や背中の痛み、急な息切れ・呼吸困難などがあるときは、コーヒーの影響だろうと決めつけて待たず、119番へ連絡してください。厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」でも、これらは救急車を呼ぶ症状として示されています。
動悸がある場合も、すべてが同じ緊急度という意味ではありません。緊急症状がなくても、新しく出た症状や繰り返す症状は医療機関に相談してください。飲み物を変えるだけで対処し続けないことが大切です。
コーヒーだけでなく、生活と治療の全体を見る
砂糖を多く入れる、喫煙とセットになっている、睡眠不足をコーヒーで補っているなど、いくつかの習慣が重なることがあります。厚生労働省の高血圧の解説が示すように、塩分、体重、飲酒、運動などを含む管理が必要です。コーヒーはその中の一項目として医療者と相談します。
食品の成分の働き、観察研究で見られた関連、医療として確立した効果は同じではありません。コーヒーを飲めば高血圧を防げるとも、飲む人は必ず高血圧になるとも言い切れません。症状の有無だけに頼らず、適切な条件での測定と、治療内容に沿った判断を続けてください。
合わせて読みたい→コーヒーの効果と注意点
デカフェの選び方