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大型イベントで必要な飲食レーン数の計算方法|ピーク販売数と提供時間から算出する

飲食イベント設計

ピーク販売数と提供時間から算出する

大型イベントで必要な飲食レーン数の計算方法|販売数・提供時間から適正レーン数を算出

大型イベントの飲食で「販売レーンを何本用意すればいいのか」は、会場の広さや感覚だけで決めるものではありません。

必要な飲食レーン数は、ピーク時間に販売しなければならない商品数と、1レーンが1時間に処理できる商品数から計算できます。

基本式はシンプルです。

必要レーン数 = ピーク1時間の販売点数 ÷ 1レーンあたりの実処理能力

例えばピーク1時間に1,200点を販売する必要があり、1レーンが実運用で1時間80点処理できるなら、必要レーン数は15レーンです。

1,200点 ÷ 80点 = 15レーン

ただし実際の大型イベントでは、商品ごとの提供時間、平均購入点数、会計方法、厨房能力、商品補充なども影響します。

この記事では、イベント主催者・制作会社の方向けに、飲食販売レーン数を数字から算出する方法と、計算したレーン数を実際の会場へ落とし込む考え方を解説します。

大型イベントの飲食レーン数はピーク販売数と提供速度から逆算する

イベント飲食で最も避けたいのが、「このスペースなら10レーン置けそうだから10レーンにする」という決め方です。

先に会場スペースからレーン数を決めてしまうと、その10レーンで本当に必要な販売数を処理できるのか分かりません。

逆に必要レーン数を計算してから会場図面と照合すれば、スペースが足りない場合にも、メニューや提供方法を変更するという判断ができます。

大型イベントの販売レーン設計では、次の順番で考えます。

  1. 1日の想定販売点数を出す
  2. ピーク時間の販売点数を出す
  3. 商品ごとの提供秒数を確認する
  4. 1レーンあたりの処理能力を計算する
  5. 実稼働率を加味する
  6. 必要レーン数を算出する
  7. 商品構成に合わせてレーンを配分する
  8. 会場図面と照合する

1日の販売数ではなくピーク1時間を見る

必要レーン数を計算するときに最初に見るべき数字は、1日の総販売数ではありません。

自社だけで設計・手配するのが難しい場合は、Team Cafe Tokyoが大型イベントの飲食を企画から当日運営まで支援しています。
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最も注文が集中する時間帯に何点販売する必要があるかです。

例えば6時間のイベントで6,000点販売するとします。

単純平均では、

6,000点 ÷ 6時間 = 1,000点/時間

です。

しかし実際のイベントでは、6時間ずっと同じ販売数になることはほとんどありません。

時間帯 想定販売数
11:00〜12:00 500点
12:00〜13:00 1,600点
13:00〜14:00 1,400点
14:00〜15:00 900点
15:00〜16:00 800点
16:00〜17:00 800点

このイベントで設計基準にすべき数字は平均1,000点ではなく、12時台の1,600点です。

平均値だけを基準にレーンを作ると、通常時間は問題なくても、昼食時間やステージ終了後に一気に行列が発生します。

販売実績がないイベントではピーク率を設定する

過去開催の販売データがある場合は、時間帯別POSデータなどからピーク販売数を確認できます。

初開催イベントでは実績がないため、総販売数に対してピーク1時間へ何%集中するかを仮定します。

例えば1日6,000点販売するとして、ピーク率を25%とした場合、

6,000点 × 25% = 1,500点

となります。

この1,500点をピーク1時間で処理できる販売体制を作ります。

初開催の場合は一つの数字だけで決めず、20%、25%、30%など複数条件で計算しておくと、必要スペースや人員の変化も確認できます。

そもそもの販売点数がまだ決まっていない場合は、大型イベントで必要な飲食販売数の計算方法|来場者数から発注数・安全在庫まで予測する方法から先に算出します。

1レーンが1時間に何点処理できるか計算する

ピーク販売数が分かったら、次に1本の販売レーンで何点処理できるかを計算します。

基本式は、

1レーンの理論処理能力 = 3,600秒 ÷ 1点あたりの提供秒数

です。

1点あたり提供時間 理論処理能力
20秒 180点/時間
30秒 120点/時間
45秒 80点/時間
60秒 60点/時間
90秒 40点/時間
120秒 30点/時間

同じ販売数でも提供時間によって必要レーン数が大きく変わります。

ピーク1時間に1,200点必要な場合、60秒提供なら理論上20レーン必要ですが、30秒提供なら10レーンです。

1,200点 ÷ 60点 = 20レーン

1,200点 ÷ 120点 = 10レーン

大型イベントでは「レーンを増やす」より先に、商品提供時間を短縮できないか検討する価値があります。

理論値ではなく実処理能力で計算する

ただし、3,600秒を提供秒数で割った数字をそのまま使うと、実際の現場では余裕がなくなります。

1時間ずっと一度も止まらず商品を渡し続けられるわけではないからです。

実際には、

  • 商品補充
  • 注文確認
  • 受け渡し
  • スタッフ間の確認
  • 資材交換
  • 設備の待ち時間
  • 注文間違いへの対応

などが発生します。

そこで理論処理能力に実稼働率を掛けます。

例えば提供時間30秒なら理論上120点/時間ですが、実稼働率を85%とすると、

120点 × 85% = 102点/時間

となります。

この102点をレーン設計上の実処理能力として使います。

必要レーン数を実際に計算する

ここまでの数字を使って実際に計算します。

条件を次のようにします。

  • 1日販売予定:6,000点
  • ピーク1時間:1,500点
  • 平均提供時間:30秒
  • 理論処理能力:120点/時間
  • 実稼働率:85%

まず実処理能力を出します。

120点 × 85% = 102点/時間

次に必要レーン数を計算します。

1,500点 ÷ 102点 = 約14.7

したがって、この条件では最低でも15レーン程度が一つの基準になります。

実際には商品ごとの需要偏りや設備停止なども考慮し、必要に応じて余裕を持たせます。

「会計件数」と「販売点数」を混同しない

大型イベントのレーン計算で非常に重要なのが、会計件数と販売点数は同じではないということです。

1人がフード1点、デザート1点、ドリンク1点を買えば、

1会計 = 3商品

です。

例えばピーク1時間に1,500点販売し、一人平均2.5点購入するとします。

1,500点 ÷ 2.5点 = 600会計

つまり商品側は1,500点を処理する必要がありますが、レジ側は600会計を処理すればよいことになります。

大型イベントで「レジ10台だから受取も10レーン」と同じ数字にする必要はありません。

レジは会計件数、商品受取レーンは商品点数を基準に、それぞれ別計算します。

SKU別に必要レーン数を計算する

実際のイベントでは、すべての商品が同じ速度・同じ数量で売れるわけではありません。

そこで総販売数だけでなく、商品ごとのピーク販売点数を使ってレーンを配分します。

例えばピーク1時間の需要が次のようなイベントを考えます。

商品 ピーク販売数 提供時間 理論処理能力
フードA 400点 30秒 120点/時間
フードB 300点 60秒 60点/時間
デザート 200点 45秒 80点/時間
ドリンク 600点 20秒 180点/時間

単純な理論値だけなら、フードAは約4レーン、フードBは5レーン、デザートは3レーン、ドリンクは4レーン程度です。

ここへ実稼働率を加え、実際の必要数を調整します。

このように商品別で計算すると、どの商品が販売能力上のボトルネックになっているかが見えてきます。

すべての商品に専用レーンが必要とは限らない

SKU別にレーン数を計算した後は、専用レーンと共通レーンを分けます。

例えば販売量が非常に多い人気商品は専用レーンを設けた方が効率的です。

反対に販売数が少ない商品をそれぞれ専用レーンにすると、空いているレーンが増えてスペース効率が悪くなります。

そのため、

  • 大量販売商品は専用レーン
  • 販売数の少ない商品は共通レーン
  • 提供時間の短いドリンクは別レーン
  • 提供時間の長い商品は他商品から分離

といった組み方をします。

重要なのはSKU数とレーン数を1対1で考えないことです。

提供時間の長い商品が全体を止めることがある

例えば30秒で渡せる商品と90秒かかる商品を同じ受取レーンで扱うと、90秒の商品を待つ間に短時間で提供できる商品の流れまで止まる可能性があります。

こうした商品は専用レーンに分ける、事前製造比率を上げる、提供直前の工程を減らすなどの対応を検討します。

大量提供に適したメニューそのものの設計については、大型イベントで大量提供できるフードメニューの作り方|提供速度・原価・厨房設備から考えるで詳しく解説しています。

レーンを増やしても厨房能力が足りなければ販売数は増えない

販売レーン数の計算で見落とせないのが厨房側の処理能力です。

例えば受取側に20レーンあり、1時間2,000点を渡せる状態でも、厨房が1時間1,000点しか製造できなければ最大販売能力は1,000点です。

イベント飲食全体の能力は、最も処理能力が低い工程によって決まります。

厨房1,000点/時 → 盛付1,300点/時 → 受取2,000点/時

なら、このライン全体の実質能力は1時間1,000点です。

これがイベント飲食におけるボトルネックです。

販売口だけを増やすのではなく、厨房から受け渡しまで一連の処理能力をそろえる必要があります。

厨房設備の考え方については、大型イベントの仮設厨房に必要な設備とは?電源・給排水・厨房機器の設計方法も参考にしてください。

大型イベントでは「受取レーン」と「製造ライン」を分けて考える

ここはレーン設計で混同されやすい部分です。

来場者が並ぶ受取レーンと、厨房内の商品製造ラインは必ずしも1対1ではありません。

例えば厨房内の1つのドリンク製造ラインから、完成したドリンクを3つの受取レーンへ供給することもできます。

反対に一つの受取レーンの商品を、厨房内の複数ラインで製造することもあります。

そのため大型イベントでは、

製造能力 → 補充能力 → 受取能力

の3つを別々に確認します。

どこか一つだけを強化しても、他工程が追いつかなければ販売能力は上がりません。

会計を先に分離すると受取レーンを高速化できる

1つの窓口で注文、決済、商品準備、受け渡しをすべて行う方式は分かりやすい一方、販売量が増えると処理時間が長くなります。

大型イベントでは、

会計 → 商品引換情報 → 商品別受取レーン

と工程を分離する方法があります。

受取レーンでは決済を行わず、商品を確認して渡すだけにすることで1件あたりの処理時間を短縮できます。

特に一人が複数商品を購入するイベントでは、会計と商品提供を分離する効果が大きくなる場合があります。

会計から受け渡しまでの配置については、大型イベントの飲食ブース設計|会計・厨房・受け渡しの動線をどう作る?で詳しく解説しています。

必要レーン数を会場に置けない場合は商品側を変更する

計算上18レーン必要なのに、会場図面上は12レーンしか設置できないことがあります。

この場合、「12レーンで頑張る」では解決になりません。

12レーンでピーク需要を処理できるよう、1レーンあたりの処理能力を上げる必要があります。

検討できる方法としては、

  • 提供秒数を短くする
  • SKUを減らす
  • 盛り付け工程を減らす
  • 事前製造できる工程を増やす
  • ドリンクを別売場へ分離する
  • 会計を別エリアへ分ける
  • 大量販売商品に専用レーンを作る
  • 販売時間を分散させる

などがあります。

大型イベントでは、会場面積を変更できないケースも多いため、限られたレーン数で必要販売能力を作れる商品構成へ逆算することが重要です。

1レーンの幅だけでなく待機列まで会場面積に含める

必要レーン数が決まったら会場図面へ配置します。

ここで忘れてはいけないのが、販売カウンターだけが飲食エリアではないということです。

例えば15レーン設置できても、その前に15本の待機列が発生すれば大きなスペースが必要になります。

さらに受け取った来場者とこれから並ぶ来場者が交差すると、飲食エリア周辺の通路まで混雑します。

そのため実際の図面では、

  • 販売カウンター
  • 待機列
  • 列への入口
  • 商品受取後の退出方向
  • スタッフ補充動線
  • バックヤード

まで含めて確認します。

レーン数を増やす前に提供時間を10秒短くできないか考える

大型イベントでは、わずか10秒の差が大きな販売能力差になります。

例えば1点45秒の商品は理論上1時間80点ですが、35秒まで短縮できれば約103点です。

10レーン運営なら、

45秒提供:800点/時間

35秒提供:約1,030点/時間

となり、1時間で約230点の差になります。

ピークが2時間続けば約460点です。

レーンを物理的に増設するより、盛り付けや受け渡しの工程を10秒短縮する方が、費用やスペースの面で有効なことがあります。

スタッフ人数はレーン数が決まってから工程別に算出する

レーン数を決めた後は、それを動かす人員を設計します。

ただし「15レーンだから15人」という計算ではありません。

受け渡しは1レーン1名でも、厨房側では一人が複数レーン分を製造できることがあります。

逆に複雑な商品なら、1つの販売ラインに複数人必要になる場合もあります。

必要人数については販売レーン数とは分け、会計、加熱、盛り付け、ドリンク、受け渡し、補充など工程単位で計算します。

詳しくは、大型イベント飲食で必要なスタッフ人数の計算方法|ピーク時の適正人員配置とはで解説しています。

大型イベントの飲食レーン数でよくある5つの失敗

1日の平均販売数から計算する

平均販売数ではピーク時間の需要を処理できない可能性があります。時間帯別販売数またはピーク率から計算します。

理論処理能力を100%使う

補充や確認時間を考慮せず、3,600秒をすべて販売に使える前提にすると余裕がありません。実稼働率を入れて計算します。

レジ数と受取レーン数を同じにする

会計件数と商品点数は異なります。それぞれ別の処理能力から算出します。

販売口だけを増やす

厨房能力が不足していれば商品が届きません。厨房、盛り付け、補充、受け渡しを一つのラインとして確認します。

全商品を同じレーンで扱う

提供時間や販売数量に大きな差がある場合、一部の商品が全体を止めます。専用レーンと共通レーンを使い分けます。

来場者10,000人規模のイベントでレーン数を試算する

最後に一つのモデルケースで計算します。

  • 来場者数:10,000人
  • 飲食利用者数:3,000人
  • 平均購入点数:3点
  • 1日販売点数:9,000点
  • ピーク1時間販売比率:20%
  • ピーク1時間販売数:1,800点
  • 平均提供時間:30秒
  • 実稼働率:85%

30秒提供の場合、1レーンの理論処理能力は120点/時間です。

実稼働率85%なら、

120点 × 85% = 102点/時間

です。

ピーク1時間1,800点を処理する場合、

1,800点 ÷ 102点 = 約17.6レーン

となります。

したがって、この条件では18レーン前後が一つの基準になります。

ただし、これは全商品を平均30秒として単純化した数字です。

実際にはSKUごとの販売構成比と提供時間を入れて再計算し、ドリンク専用レーン、人気商品専用レーン、共通レーンなどへ振り分けます。

大型イベントの飲食レーン設計は「何本置くか」ではなく「何点処理できるか」で考える

大型イベントで重要なのは、販売レーンの本数そのものではありません。

ピーク時間に必要な商品数を、限られたスペースと時間の中で処理できるかです。

そのため、まずピーク販売数を出し、商品ごとの提供時間から1レーンの実処理能力を求め、その数字から必要レーン数を逆算します。

そして計算結果が会場面積を超える場合には、レーンを無理に詰め込むのではなく、メニュー、提供工程、会計方法、商品構成そのものを見直します。

この考え方を使うことで、「10レーンくらいあれば大丈夫だろう」という感覚的な設計から、販売数量に根拠を持ったイベント飲食設計へ変えることができます。

Team Cafe Tokyoの大型イベント飲食・販売レーン設計

Team Cafe Tokyoでは、大型イベント・フェス・IPイベントなどについて、想定来場者数から販売数量、ピーク需要、商品提供時間を算出し、必要な飲食レーン数まで設計しています。

レーン数だけを単独で決めるのではなく、商品ごとの販売構成、厨房処理能力、会計方法、スタッフ配置、会場スペースまで一つにつなげて検討します。

「会場スペースは決まっているが何点販売できるか分からない」「予定販売数に対して何レーン必要か計算したい」といった段階からでも設計可能です。

イベント飲食全体の企画方法については、イベントフードの企画方法|メニュー・販売数・出店方式・運営まで主催者向けに解説もご覧ください。

大型イベントの飲食企画・厨房設計・販売オペレーションについては、Team Cafe Tokyoまでお気軽にご相談ください。

大型イベントで、販売数・必要レーン・スタッフ数・在庫まで一つの計画として設計したい場合は、Team Cafe Tokyoの大型イベント飲食サービスをご覧ください。

ONE-OFF / LARGE EVENT

大型イベントの飲食を、企画から当日運営まで。

販売数予測、メニュー開発、厨房・設備、レーン、人員、物流、収支設計、当日運営まで。今回のイベントの飲食部分をTeam Cafe Tokyoへ相談できます。

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