コーヒーの歴史・文化を徹底解説!日本はアイスコーヒーの発祥の国。

コロンビア豆 コーヒー

コーヒーの歴史・文化

 

昼下がりの午後にカフェに赴き、上質なコーヒーを1杯のみ一息つく、それはカフェ好きの人にとっては至福の時間です。そんな時間をもっと楽しむためにはどうしたらよいでしょうか。

 

そう、コーヒーの効果・効能についてやコーヒーの知識をもっと知ることでその時間をさらなる極上の高みへと押し上げることができるのです。まずはコーヒーの歴史から見ていきましょう。

 

 

珈琲の発見・日本への伝来

 

コーヒーが発見されたのは人類発祥の地アフリカ大陸です。10世紀の書物にその記述が残っています。これはアラビア人医師のラーゼストという人が書いた記述でした。

 

その後、時を経て飲み物として認識されたのが13世紀のことで、イスラム教徒のシーク・オマールという人が発見しています。

 

このコーヒーの発見説には3大起源伝説と言われるものがあり上記『シーク・オマールの伝説』の他に『カルディの伝説』『ザブハーニーの伝説』と3つの伝説があります。

 

関連記事→珈琲界に伝わる3大起源伝説とは!コーヒーの歴史。昔々のおはなし。

 

更に時がたち一般の人でも飲めるようになったのが15世紀。

 

アラビアにおいてコーヒーが飲用として広く認められます。それから1世紀毎に世界にコーヒーが伝わっていき、アメリカに伝わったのは17世紀のことでした。

それからは商用として広く世界に伝わることとなり、現代の一般的なコーヒーとしての形をなしていったのです。これだけみていっても実に1000年以上の歴史のあるコーヒーです。それだけ人類と密接な関係をもってきた飲み物であるといえるでしょう。

 

日本にコーヒーが伝わったのは1641年の頃だと言われています。当時は江戸幕府の元で日本は鎖国政策をとっていました。しかし長崎の出島ではごくわずかな国との交易が許されていました。

 

その出島に商館を構えていたオランダ人がコーヒーを味わい、そこに出入りを許された商品が日本で初めてコーヒーを口にしたと言われています。

 

コーヒーを初めて飲んだ人

 

公式にコーヒーを飲んだという体験を記しているのは大田蜀山人です。

 

文人であった大田蜀山人は新しいもの好きで知り合ったオランダ人からコーヒーを進められたそうです。その時の感想は「焦げ臭くまずい」というものでした。

 

コーヒーが広まった理由

 

やがて長崎からコーヒーは広がっていきましたが、当時は嗜好品というよりも「薬」と考えられていたようです。やがて1807年、また日本でコーヒーが広がるきっかけになる出来事がありました。

 

それはロシアが樺太から南下するという話が広まり、それを防ぐために北海道の北へ出兵が行われます。実際にはロシア軍がナポレオンの進軍を防ぐために兵を引き上げたことから戦争にはなりませんでしたが、しかし冬の寒い地域に向かった兵士には病人が続出しました。

 

新鮮な野菜が食べられず、ビタミン不足になったことが原因でした。そこで幕府は、当時ビタミン不足からくる水腫病にコーヒーが効果的だといわれていたことに着目、兵士たちにコーヒーを支給しました。寒い土地で暮らす弘前藩に幕府が薬としてコーヒーを支給したという記録も残っています。

 

さらに時代は進み、長崎の出島にオランダからシーボルトがやってきます。大のコーヒー党だったシーボルトは日本にコーヒーを飲む習慣がないことに驚き、コーヒーを広めようとします。シーボルトはコーヒーが長寿に効くという宣伝文句で、コーヒーを売り出しました。

 

 

日本に初めて輸入された年は?

 

コーヒー 豆が商品として正式に輸入されるようになったのは1858年。

 

日米通修好通商条約が結ばれたときでした。横浜、長崎、函館の三港で海外貿易が開始、日本にもコーヒーが輸入されるようになりました。

 

コーヒーが嗜好品として少しずつ広まり始めたのは明治になってからのことです。東京・下谷に日本でのコーヒー 発祥の地、日本最初の喫茶店、「可否茶館」がオープンします。

 

アイスコーヒーの発祥

 

今でこそコーヒーは漢字では「珈琲」と表記しますが、当時は音をそのまま漢字に当てた「可否」でした。時代は西欧ブームの華やかなころで、コーヒーを飲むのがおしゃれという文化と考え方が広まっていきます。アイス コーヒー 発祥もこのころで、文筆家だった石井研堂という人物が著書の中で、東京・神田小川町の氷屋で「氷コーヒー」というメニューがあることを紹介しています。

 

海外では存在しないと言われるアイスコーヒーはこのころから日本では一般的でした。やがてコーヒー人気に目をつけて、日本中には喫茶店ブームが巻き起こります。当時、東京にある砂糖問屋がお湯に溶かして飲む砂糖入りのコーヒーを売り出したということもありました。

 

また、日本でのコーヒー文化の発展には文化人も寄与しています。森鴎外が創刊した文学雑誌「スバル」には北原白秋、石川啄木などが参加、彼らの会合の場所であった「メイゾン鴻の巣」で出されていた本格的なフランス式の深入りコーヒーは珍しく、そこで文学談義を交わすことが一つのステイタスとなりました。さらに日本で初めてのコーヒー愛好家の会「パンの会」も結成されます。

 

そこから文化人が集うカフェブームが起こります。なかでも「カフェパウリスタ」はパリやニューヨークのカフェのような内装、本格的なブラジルコーヒー、さらにごく普通の人たちも気軽に立ち寄れる低価格設定であったことから人気を集め、全国に多くの支店を構えるようになりました。

 

その後もコーヒー人気は高まり1937年にはピークを迎えますが、戦争が始まったことでコーヒーの輸入は制限、「ぜいたく品」「敵国のもの」と呼ばれるようになり、輸入が停止されます。

 

やがて終戦を迎え、コーヒーの輸入が再開、豆に続いてインスタントコーヒーの輸入が盛んになりました。このころは、第一次珈琲ブームとよばれコマーシャルなどの影響でコーヒーは市民の生活に広がっていきました。

やがて1969年になると世界で初めてミルク入りの缶コーヒーが発売、大阪万博や自動販売機などの普及とともに、コーヒーが一般的な存在になるきっかけになりました。さらに80年代になると喫茶店が増加、コーヒー文化はさらに盛り上がっていきます。

 

珈琲の漢字の成り立ち

 

コーヒーのことを漢字で「珈琲」と書きますが、どんな由来が有るのでしょうか?

 

漢字による当て字である「珈琲」は、津山藩蘭学者の宇田川榕菴(うだがわようあん)が考案し、自筆の蘭和対訳辞典に記載したのが、最初であると言われている。

 

『珈』の意味、音読みで「カ」、訓読みで「かみかざり」と読み、「婦人の髪飾り」という意味。

次に『琲』は音読みで「ハイ」、訓読みで「つらぬく」と読み、「2列の玉飾り」という意味だそうです。

 

珈琲の字を作った人物

 

ちなみにこの当て字を作った人は蘭学者の「宇田川榕菴」という人。

 

この珈琲という文字を考案した宇田川榕菴という人は、この他にも酸素、水素、窒素というった日本語も作ったとのことです。

 

珈琲の字の意味

 

珈琲という文字がコーヒーを表す漢字になった背景としては、コーヒーチェリーがコーヒーノキに実っている様子が、当時の女性の髪飾りである“かんざし”っぽいところからきています。

珈琲の“珈”という文字は女性の髪にさす花のかんざしという意味を持っていることで採用され、珈琲の「琲」とぴう文字はかんざしの玉をつなぐ紐を意味しています。そう言われれてみると何かそれっぽく見えて来ます。

珈琲はなんとなくただの当て字だと思っていましたが、実は裏にこのような由来があったのです。

 

「珈」という文字は、『会意兼形声文字』です(王(玉)+加)。

「3つの美しいたまを縦にひもで通した」象形(玉の意味)と「力強い腕の象形(「力」の意味)と「口」の象形(「祈りの言葉」の意味)」

(力と祈りの言葉である作用を「加える」の意味)から「髪の上に加えた飾り玉」を意味する「珈」という漢字が成り立ちました。

「珈」
音読み:「カ」、「ガ」、「ケ」
訓読み:なし

 

「琲」
意味:玉をたくさん連ねた飾り
音読み:「ハイ」、「ヒ」
訓読み:「ツラヌク」

 

幕末の蘭学者 宇田川榕菴が、コーヒーの木に実った赤い実の様子が、女性の髪飾り(かんざし)に似ていることから、女性の髪飾りに使われる玉飾りを意味する「珈」と、玉飾りの紐を意味する「琲」を組み合わせて「珈琲」と表記したそうなのです。

 

珈琲の字を一つとってみてもこのように面白い歴史が潜んでいたのですね。

第二次コーヒーブーム

スタバロゴ

90年代には、第二次珈琲ブームが訪れます。きっかけはシアトル系のカフェの増加でした。

 

エスプレッソなどそれまでになかったメニューも増加します。さらにチェーン系カフェも増加、コンビニなどでも低価格で美味しいコーヒーが楽しめるようになります。

 

また一方では豆や淹れ方にこだわった美味しいコーヒーを飲みたいという声も大きくなり、第三次ブームが到来。

 

これは現在も続き、サードウェーブと呼ばれています。

 

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サードウェーブの代表格としては、ブルーボトルコーヒーが日本では有名ですね。

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最後に

 

今までも愛されてきたコーヒー、今では上質なコーヒーを自宅で楽しみたいという声も増え、手軽に入れれる家庭用のコーヒーマシーン登場などスペシャルティーコーヒーを自宅で楽しむ3.5ウェーブ時代とも言われています。

 

発見から現在まで様々な進化を遂げたコーヒーが、今後更にどのような進化を遂げるか楽しみですね。

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