イベントケータリングとは?フードブース・キッチンカーとの違いと選び方

イベントケータリングとは?
イベントで飲食を用意するとき、候補の一つになるのがケータリングです。
企業イベント、展示会、発表会、式典、ファンイベントなどで利用されますが、イベントの規模や目的によっては、一般的なケータリングではなく、フードブースやキッチンカー、イベント専用の飲食運営を選んだ方が適している場合があります。
例えば、関係者300人へ決められた時間に料理を提供する案件と、来場者5,000人へ数時間にわたって商品を販売する案件では、必要な仕組みがまったく違います。
前者では料理の配送や配膳が中心になりますが、後者では販売数の予測、会計、厨房、商品補充、販売レーン、スタッフ配置まで設計する必要があります。
つまり「イベントで食事を出したい」という目的は同じでも、ケータリングが最適とは限りません。
この記事ではイベント主催者・制作会社の方向けに、イベントケータリングの基本から、フードブース、キッチンカー、オリジナルフード運営との違い、それぞれが向いているイベントについて解説します。
イベントケータリングは「誰に・どのように提供するか」で選ぶ
イベントの飲食手配を考えるとき、最初に料理の種類や業者を探すより、誰にどのような形で飲食を提供するのかを整理した方が選びやすくなります。
例えば同じ1,000人規模のイベントでも、来場者全員に料理を提供するケースと、希望者だけが商品を購入するケースでは必要な仕組みが異なります。
さらに、無料提供なのか有料販売なのか、決められた時間に一斉提供するのか、イベント開催中に継続して販売するのかによっても変わります。
イベント飲食を考えるときは、まず次の4つに分けると整理しやすくなります。
- ケータリング
- フードブース
- キッチンカー
- イベント専用フード運営
それぞれ得意とするイベントが違います。
イベントケータリングとは
ケータリングは、イベント会場など指定された場所へ料理や飲料を届け、必要に応じて会場でセッティングやサービスを行う形です。
企業イベント、レセプション、懇親会、セミナー、式典、撮影現場などで利用されることがあります。
料理についても、フィンガーフード、オードブル、ビュッフェ、弁当、ドリンクなどイベントに合わせてさまざまな形式があります。
特に参加人数が事前に分かっていて、決められた時間に料理を提供したいイベントとは相性の良い方法です。
参加者300人なら300人分を基準に料理を準備できるため、必要数量を比較的計画しやすいのも特徴です。
デリバリーとケータリングは同じではない
イベントで料理を手配するとき、デリバリーとケータリングが同じ意味で使われることがあります。
料理を指定場所まで届けることを中心とするデリバリーに対して、ケータリングでは会場でのセッティング、料理の提供、ドリンクサービス、片付けなどまで含めて依頼できる場合があります。
ただしサービス内容は会社によって異なります。
料理だけが届くのか、テーブルや食器まで準備されるのか、スタッフが常駐するのか、終了後の撤収まで対応するのか。
見積を比較するときは「ケータリング一式」という名称だけを見るのではなく、どこまで含まれているかを確認することが重要です。
ケータリングが向いているイベント
ケータリングが特に使いやすいのは、参加人数と提供時間を事前に把握できるイベントです。
例えば企業の周年イベントで500人が参加し、18時から19時30分まで懇親会を行うのであれば、人数と時間を基準に料理数量やスタッフを計画できます。
また、料理を販売すること自体がイベントの目的ではなく、参加者へのサービスとして食事を提供したい場合にも向いています。
一方で、不特定多数の来場者が好きな時間に商品を購入するイベントでは事情が変わります。
数千人へ有料販売するイベントは一般的なケータリングと考え方が違う
フェスや大型イベントでは、来場者全員が同時に料理を食べるわけではありません。
来場者5,000人のうち何人が飲食を利用するのか、その人たちが何点購入するのか、どの時間帯に注文が集中するのかを考える必要があります。
さらに有料販売であれば、料理を作るだけではなく会計と商品受け渡しも必要です。
例えばピーク1時間に1,000件の注文が発生するなら、その時間内に会計し、商品を準備し、来場者へ渡せる販売能力を作らなければなりません。
このような案件は、料理を会場へ届けるというより、期間限定の飲食店をイベント会場の中に作る考え方に近くなります。
フードブースとは
フードブースは、イベント会場内に飲食販売用の区画を設け、その場所で商品を販売する形式です。
イベント主催者が複数の飲食店を募集することもあれば、イベント公式の飲食ブースとして運営する場合もあります。
ケータリングとの大きな違いは、来場者が自分で商品を選び、その場で購入する形式を作りやすいことです。
またイベント専用の看板、メニューパネル、カウンターなどを作ることで、会場全体のデザインに合わせることもできます。
企業イベントだけでなく、展示会、スポーツイベント、音楽イベント、IPイベントなど幅広いイベントで使われます。
キッチンカーとは
キッチンカーは、厨房設備を搭載した車両で調理・販売する方式です。
屋外イベントでは、仮設厨房を一から設営するより準備しやすく、複数の飲食事業者を集めることで料理のバリエーションも作れます。
例えば10台のキッチンカーを集め、それぞれがハンバーガー、カレー、丼、スイーツ、ドリンクなどを販売する構成です。
地域イベントや屋外フェスなど、さまざまな店舗を来場者に楽しんでもらいたいイベントとは相性があります。
一方、車両ごとに厨房と販売窓口が一体化しているため、一つの店舗で処理できる販売数には限界があります。
短時間に大量の注文が集中するイベントでは、必要な処理能力を事前に確認しておく必要があります。
イベント公式フードは別の考え方になる
アニメ、ゲーム、音楽、スポーツなどのイベントでは、イベント専用の商品を作りたいケースがあります。
キャラクターをモチーフにしたフード、作品をイメージしたドリンク、イベント限定パッケージなどです。
この場合、既存の飲食店やキッチンカーを集めるだけでは実現しにくいことがあります。
メニュー開発から始まり、試作、撮影、デザイン、資材製作、原価計算、食材発注、厨房、販売まで一つのプロジェクトとして進める必要があるからです。
さらに数千点単位で販売する場合は、商品として魅力的であるだけでなく、イベント会場で大量に作れる仕様へ設計する必要があります。
4つの方式を比較すると違いが分かりやすい
| 方式 | 向いている用途 | 人数の考え方 | 有料販売 | オリジナルメニュー |
|---|---|---|---|---|
| ケータリング | 懇親会・式典・企業イベント | 参加人数が事前に分かる案件 | 通常は主催者発注が中心 | 対応可能な場合あり |
| フードブース | 展示会・フェス・大型イベント | 来場者の購入需要から算出 | 向いている | 向いている |
| キッチンカー | 屋外イベント・地域イベント | 店舗ごとの販売能力で考える | 向いている | 事業者による |
| イベント専用フード運営 | IPイベント・大型イベント | 販売予測から設計 | 向いている | 特に向いている |
どれか一つが優れているわけではありません。
イベントの目的と飲食の役割によって選びます。
参加人数が決まっているならケータリングを検討する
参加者が事前登録制で、ほぼ正確な人数が分かるイベントではケータリングを検討しやすくなります。
例えば200人の社内イベントなら、一人あたりの料理量と予算から必要数量を決められます。
一人5,000円の予算で200人なら、飲食予算の基準は100万円です。
そこから料理、ドリンク、サービススタッフ、備品などを組み合わせていきます。
このようなイベントでは、販売レジを作ったり、来場者ごとの需要を予測したりする必要がないため、ケータリングの仕組みと相性があります。
来場人数が多く購入者が読めないなら販売型を検討する
一般来場型のイベントでは、来場者数と飲食利用者数が一致しません。
来場者10,000人でも、飲食を利用する人が2,000人の場合もあれば、5,000人になる場合もあります。
そのため「10,000人分の料理を準備する」という発想ではなく、飲食利用率や平均購入点数を使って販売数を予測します。
このようなイベントでは、ケータリングよりフードブースやイベント専用の飲食運営が適するケースがあります。
イベント全体の飲食企画については、イベントフードの企画方法|メニュー・販売数・出店方式・運営まで主催者向けに解説で詳しく紹介しています。
キッチンカーは「何台呼ぶか」より販売能力を見る
キッチンカーを手配するときに、「来場者5,000人だから10台」というように来場者数だけで台数を決めるのは避けたいところです。
同じキッチンカーでも、商品によって提供速度は違います。
事前調理した商品を短時間で渡せる店舗と、注文後に一つずつ調理する店舗では1時間に販売できる数量が異なります。
また人気店舗だけに注文が集中することもあります。
必要台数を考えるときは、イベント全体で必要な販売数と各店舗の時間当たり販売能力を確認します。
キッチンカー、テント、集中厨房の使い分けについては、フェスのフード出店はどう作る?キッチンカー・テント・集中厨房の違いでも解説しています。
ケータリング会社を選ぶときに確認したいこと
ケータリングを依頼する場合は、料理の価格だけで比較しない方がよいでしょう。
イベント当日に必要な業務まで含めて確認します。
- 最低注文金額
- 対応可能人数
- 料理の配送範囲
- 搬入・搬出への対応
- 会場でのセッティング
- サービススタッフの手配
- 食器・カトラリー・テーブル備品
- ドリンク提供
- 終了後の片付け
- ゴミの回収
- アレルギーへの対応
- オリジナルメニューへの対応
イベント会場によっては搬入口、搬入時間、台車の使用、養生、ゴミ処理などに独自のルールがあります。
そのため料理内容だけではなく、会場運営まで対応できるかを確認します。
大型イベントでは「料理代」以外の費用が大きくなる
イベント飲食の見積を見るときは、料理単価だけでは総額を判断できません。
会場によっては厨房設備、冷蔵設備、電源、給排水、運搬、スタッフ、什器、容器、決済機器などが必要になります。
例えば料理1,000円を5,000点販売する計画なら商品売上は500万円ですが、それを実際に販売するためには厨房と販売体制が必要です。
一般的なケータリングでは料理代に含まれる業務でも、大型イベントでは別の専門業者が担当することがあります。
見積を比較するときは、商品単価だけではなくイベント飲食全体で何が含まれているかを見ることが重要です。
ケータリングとフードブースを併用する方法もある
イベント飲食は一つの方式に統一する必要はありません。
例えば出演者やスタッフにはバックヤードでケータリングを提供し、一般来場者にはフードブースで商品を販売する方法があります。
VIPエリアだけ料理を無料提供し、一般エリアではキッチンカーを配置する構成も考えられます。
さらにイベント公式フードだけ専用ブースで販売し、それ以外の食事をキッチンカーに任せる方法もあります。
誰に何を提供するかを分けることで、イベント全体として使いやすい飲食環境を作れます。
IPイベントではケータリング会社では対応範囲が足りない場合がある
イベントオリジナルフードを作る案件では、通常のケータリングとは必要な業務が変わります。
作品やキャラクターからメニューを企画し、試作を行い、監修を受け、撮影用の商品を作り、容器や資材を製作することがあります。
さらに本番では数千点の商品を安定して提供する必要があります。
この場合、求められるのは料理を届ける機能だけではありません。
商品開発とイベント運営をつなげられるかが重要になります。
イベントフードの商品開発については、大型イベントで大量提供できるフードメニューの作り方|提供速度・原価・厨房設備から考えるで詳しく解説しています。
イベント飲食を依頼する前に決めておくとよい項目
ケータリング会社やイベントフード会社へ相談するときは、すべての条件が決まっている必要はありません。
ただし次の情報があると、提案や見積を進めやすくなります。
- 開催日
- 会場
- イベント内容
- 想定来場者数または参加人数
- 飲食提供時間
- 無料提供か有料販売か
- 希望する料理ジャンル
- 一人あたり予算または販売価格帯
- オリジナルメニューの有無
- 厨房設備の有無
特に「無料提供か有料販売か」と「参加人数が確定しているか」は、飲食方式を決める大きな判断材料になります。
イベントの規模ではなく飲食の目的から選ぶ
「500人ならケータリング、5,000人ならキッチンカー」と単純に人数だけで分けることはできません。
5,000人規模のイベントでも、関係者300人だけに食事を提供するならケータリングが適しているかもしれません。
反対に500人のイベントでも、イベント限定商品を販売し、来場者が好きな商品を購入する形式ならフードブースの方が適することがあります。
まず考えたいのはイベント規模ではなく、「誰に・何を・いつ・どのように提供したいか」です。
ここが決まれば、必要な飲食方式を選びやすくなります。
Team Cafe Tokyoのイベントフード企画・運営
Team Cafe Tokyoでは、企業イベント、IPイベント、フェスなどの飲食企画からメニュー開発、厨房設計、販売ブース、スタッフ配置、当日運営まで対応しています。
一般的な料理提供だけではなく、イベント限定メニューを作りたい場合や、数千点規模の商品を販売したい場合には、想定販売数から必要な提供能力を設計します。
また、ケータリング、フードブース、キッチンカーなどを一つに限定せず、イベントの目的や会場条件に合わせて飲食構成を検討できます。
特に来場者数が多いイベントでは、商品を作るだけではなく、厨房、販売レーン、人員、会計、受け渡しまで含めて設計することが重要です。
大型イベントの飲食企画・運営については、Team Cafe Tokyoまでお気軽にご相談ください。
ケータリングか迷ったら「料理を届けたいのか、飲食店を作りたいのか」を考える
イベント飲食の方式を選ぶとき、一つの判断基準になるのが「料理を届けること」が目的なのか、「イベント会場の中に飲食サービスを作ること」が目的なのかという違いです。
参加人数が決まっていて、料理を一定時間に提供するのであればケータリングが有力な選択肢になります。
一方、不特定多数の来場者へ商品を販売したり、イベント限定メニューを数千点提供したりするのであれば、フードブースやイベント専用の飲食運営まで検討した方がよい場合があります。
最初から「ケータリングを頼む」と決めるのではなく、イベントで飲食に何をさせたいのかを整理してから方式を選ぶことが大切です。
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