イベントフードの企画方法|メニュー・販売数・出店方式・運営まで主催者向けに解説

イベントフードの企画方法

イベントでフードやドリンクを販売したいものの、「何から決めればいいのか分からない」という相談は少なくありません。

メニューを先に決めるべきなのか。キッチンカーを呼ぶのか。飲食店に出店してもらうのか。それともイベント側でオリジナルフードを作るのか。

実際のイベント飲食では、メニューだけを決めても運営は成立しません。

来場者数から販売数を予測し、その数量を提供できるメニュー、厨房、スタッフ、販売ブースを組み合わせていく必要があります。

特に数千人以上が来場するイベントになると、商品の魅力だけではなく、ピーク時に何点作れて、何点販売できるのかが重要になります。

この記事では、イベント主催者・イベント制作会社の方向けに、イベントフードを企画するときの基本的な考え方から、メニュー開発、販売数、キッチンカーや仮設ブースの選択、厨房、スタッフ、当日の運営までを順番に解説します。

イベントフードはメニューを考える前に全体設計を決める

イベントフードの企画というと、最初に「何を販売するか」を考えたくなります。

もちろん商品は重要です。

しかし実際には、メニューより先に確認しておきたい条件があります。

  • どのようなイベントなのか
  • 何人が来場するのか
  • 何時間開催するのか
  • 飲食を利用する人はどの程度いるのか
  • 無料提供なのか有料販売なのか
  • 会場に厨房があるのか
  • 屋内か屋外か
  • イベント公式フードを作るのか
  • 複数の飲食事業者に出店してもらうのか

この条件によって、適した飲食の形が変わります。

例えば3,000人規模の屋外イベントで複数の飲食店を集めたいのであれば、キッチンカーを中心にフードエリアを構成する方法があります。

一方、10,000人規模のIPイベントでオリジナルフードを数千点販売する場合は、イベント側でメニュー、厨房、販売レーン、スタッフまでまとめて設計した方が運営しやすいことがあります。

イベントフードは「料理を用意する仕事」ではなく、来場者へ必要な数量を安全に提供する仕組みを作る仕事として考えると、企画の順番が整理しやすくなります。

最初にイベントの目的を整理する

同じイベントフードでも、イベントによって役割は異なります。

音楽フェスであれば、長時間滞在する来場者の食事需要に対応することが目的になるかもしれません。

企業イベントであれば、来場者へのサービスとして料理を提供する場合があります。

アニメやゲームなどのIPイベントでは、フードそのものがコンテンツの一部になります。

地域イベントでは、地元飲食店の出店によって会場の賑わいを作ることもあります。

目的が違えば、適したメニューも販売方法も違います。

「とりあえずキッチンカーを10台呼ぶ」「とりあえず5種類のメニューを作る」と決める前に、飲食をイベントの中でどのような役割にするのかを整理します。

来場者数から飲食利用者数を考える

イベント全体の来場者数と、実際に飲食を利用する人数は同じではありません。

来場者10,000人でも、飲食利用率が20%なら2,000人、40%なら4,000人です。

さらに一人が複数商品を購入する場合は、必要な商品数が増えます。

例えば来場者10,000人、飲食利用率30%、一人平均2点購入すると仮定します。

10,000人 × 30% × 2点 = 6,000点

この場合、イベント全体では約6,000点を提供できる飲食能力が必要になります。

ここで重要なのは、最初から正確な販売数を当てることではありません。

来場者数、イベントの滞在時間、開催時間帯、飲食店の数、客層、過去イベントの実績などから仮説を作り、必要な規模を数字にすることです。

販売数の具体的な計算方法については、大型イベントで必要な飲食販売数の計算方法|来場者数から発注数・安全在庫まで予測する方法で詳しく解説しています。

イベントフードは「何食」より「何点」で考える

イベント飲食では、「何人来るから何食必要」という考え方だけでは足りない場合があります。

フード1品とドリンク1杯を購入すれば、一人で2点です。

IPイベントでは、複数キャラクターの商品をまとめて購入するケースもあります。

そのため大量販売を計画するときは、利用人数だけではなく、商品単位の販売点数まで考えます。

商品点数が分かれば、必要な容器数、カップ数、食材量、仕込み量、厨房能力なども具体化できます。

1日の販売数だけでなくピーク時間を見る

イベントフードで行列が発生する原因の一つが、平均値だけで販売能力を考えてしまうことです。

例えば7時間開催のイベントで7,000点を販売する場合、単純平均は1時間1,000点です。

しかし実際の注文は均等には入りません。

昼食時間、開演前、ステージ終了後、休憩時間などに注文が集中することがあります。

ピーク1時間に1,800点の需要があるなら、平均1,000点ではなく、その1,800点をどの程度処理できるかを考えます。

大型イベントになるほど、1日で何点売れるかより、最も混雑する時間に何点提供できるかが重要になります。

イベントフードのメニューは提供速度から考える

イベントメニューでは、見た目や味と同じくらい提供工程が重要です。

注文を受けてから一食ずつ複雑な調理を行う商品は、小規模イベントなら成立しても、大量販売では行列の原因になることがあります。

例えば一つの商品を提供するまで90秒かかる場合と30秒の場合では、同じ販売口でも処理できる数量が大きく変わります。

そのためメニュー開発では、

  • 仕込みをどこまで事前にできるか
  • 会場で必要な調理工程
  • 1回で何食調理できるか
  • 盛り付けに何秒かかるか
  • 提供直前に必要な作業
  • 保温・保冷できる時間
  • 使用する厨房機器

まで確認します。

イベントフードの商品開発については、大型イベントで大量提供できるフードメニューの作り方|提供速度・原価・厨房設備から考えるでも詳しく解説しています。

売れそうなメニューだけでなく「作れるメニュー」にする

SNS映えする商品やイベント限定感のある商品は、集客や話題づくりにつながります。

ただし販売予定数が増えるほど、「作れるか」という視点が重要になります。

例えば1日100食なら問題なく提供できる商品でも、1日2,000食になると必要設備や人員が大きく変わります。

商品開発の段階で販売予定数が分かっていれば、盛り付け工程を減らしたり、事前仕込みを増やしたり、複数レーンで同じ品質を再現できる仕様へ変更できます。

イベントフードでは、企画とオペレーションを別々に考えないことが大切です。

キッチンカー・テント・集中厨房のどれを選ぶか

イベントフードの提供方法には複数の選択肢があります。

代表的なのが、キッチンカー、テント型の飲食ブース、集中厨房から複数レーンへ供給する方法です。

キッチンカー

車両側に厨房機能があり、複数の飲食事業者を集めやすい方式です。屋外フェスや地域イベントなどで、それぞれ異なる料理を販売したい場合に向いています。

テント型飲食ブース

イベントに合わせて販売面や設備を設計できます。ブースデザインを統一したい場合や、イベント公式メニューを販売したい場合にも使われます。

集中厨房+販売レーン

一つの厨房で商品をまとめて製造・仕上げし、複数の販売口へ供給する方式です。公式フードを数千点単位で販売するようなイベントでは有効なケースがあります。

それぞれの違いについては、フェスのフード出店はどう作る?キッチンカー・テント・集中厨房の違いで詳しく解説しています。

イベント会場に厨房があるとは限らない

展示場、ホール、屋外会場などでは、飲食店のような常設厨房が用意されていないことがあります。

そこでイベント期間中だけ使用する仮設厨房を設ける場合があります。

必要な設備はメニューによって異なります。

冷蔵庫や冷凍庫だけで足りる商品もあれば、製氷機、スチームコンベクションオーブン、フライヤー、IH、保温設備などが必要になる商品もあります。

大切なのは、先に厨房機器を集めることではありません。

販売予定数とメニューから必要な処理能力を求め、その能力を作るための設備を選ぶという順番です。

仮設厨房については、大型イベントの仮設厨房に必要な設備とは?電源・給排水・厨房機器の設計方法で詳しく解説しています。

厨房機器を決めたら電源と給排水を確認する

仮設厨房では、厨房機器だけ用意しても動かせません。

冷蔵庫、冷凍庫、製氷機、加熱機器などを使用するには電源が必要です。

機器によって100V、200V、単相、三相など仕様も異なります。

また、調理内容によっては給水、排水、シンク、手洗い設備なども必要になります。

イベント会場では飲食以外にも照明、映像、音響などが電源を使用するため、飲食エリアに割り当てられる容量を早めに確認しておく必要があります。

厨房機器から必要電源を算出する方法については、大型イベントの飲食で必要な電源容量の計算方法|厨房機器・仮設電源の考え方で紹介しています。

販売レーン数は会場スペースだけで決めない

飲食ブースを設計するとき、「ここに10レーン入るから10レーン作る」という決め方では、本当に必要な販売能力と合わない可能性があります。

必要なレーン数は、ピーク時の販売数と1点あたりの提供時間から考えます。

例えば1レーンの提供時間が45秒なら、理論上は1時間で80点です。

3,600秒 ÷ 45秒 = 80点

ピーク1時間に800点を処理する必要があれば、単純計算では10レーン分の処理能力が必要になります。

実際には商品補充や注文の偏りなどもあるため余裕を持たせますが、こうした計算を行うことで必要な販売面積にも根拠を持たせられます。

詳しい計算方法は、大型イベントで必要な飲食レーン数の計算方法|ピーク販売数と提供時間から算出するで解説しています。

スタッフ人数は役割ごとに考える

イベント飲食では、販売スタッフだけを数えても必要人数は出せません。

実際には、会計、調理、加熱、盛り付け、ドリンク、商品補充、受け渡し、列整理など複数の仕事があります。

規模が小さければ一人が複数業務を兼務できます。

一方、販売量が増えると工程ごとに分業した方が処理能力を上げやすくなります。

厨房だけ人を増やしても受け渡しが詰まれば販売数は増えません。

レジだけ増やしても料理が完成しなければ商品を渡せません。

必要人数は「何人いれば安心か」ではなく、工程ごとの仕事量から考えます。

スタッフ数の考え方については、大型イベント飲食で必要なスタッフ人数の計算方法|ピーク時の適正人員配置とはで詳しく解説しています。

会計・厨房・受け渡しを一つの動線として考える

商品を早く作れても、会計や受け渡しで詰まれば行列は短くなりません。

イベントフードでは、来場者が並んでから商品を受け取るまでを一つの流れとして設計します。

待機 → 注文 → 会計 → 調理・商品準備 → 受け渡し → 退場

イベントによっては会計を先にまとめ、商品ごとの受け取りレーンへ誘導する方法もあります。

反対に、各ブースで注文・会計・受け渡しまで完結させる方法もあります。

どちらが適しているかは商品数、販売数、会場形状によって変わります。

飲食ブースの具体的なレイアウトについては、大型イベントの飲食ブース設計|会計・厨房・受け渡しの動線をどう作る?で解説しています。

イベント飲食では許可・保健所への確認も必要になる

イベントで食品を調理・販売する場合は、開催場所、営業形態、提供する食品などによって必要な許可や届出が変わります。

常設店舗で営業している飲食店だから、そのままイベント会場でも同じように営業できるとは限りません。

屋外イベント、仮設店舗、キッチンカーなどでも条件が異なります。

さらに、会場でどこまで調理するのかによって提供できるメニューに制限が生じる場合もあります。

この部分はイベント開催地域を管轄する保健所へ事前に確認し、必要な手続きを進めることが重要です。

メニューや厨房を作り込んだ後に提供方法を変更することにならないよう、企画段階から確認しておきます。

イベントフードでは原価率だけで利益を判断しない

飲食商品の利益を考えるとき、食材原価率だけを見てしまうことがあります。

イベントでは食材以外にも費用が発生します。

  • スタッフ人件費
  • 厨房設備費
  • 電源・給排水などのインフラ費
  • 容器・カップ・カトラリー
  • 運搬費
  • 決済手数料
  • 出店料や売上歩率
  • 廃棄ロス

例えば原価率30%の商品でも、提供するために多くのスタッフや高額な設備が必要なら、イベント全体では利益が残りにくくなることがあります。

逆に多少食材原価が高くても、提供が速く、大量販売しやすい商品なら全体収益が良くなるケースもあります。

イベントフードの商品設計では、1商品の原価だけでなく、販売数量と運営コストまで含めて利益を見ることが大切です。

売り切れと余剰在庫の両方を考える

イベントフードでは、売り切れれば必ず成功というわけではありません。

開催終了30分前に完売したのであれば大きな問題ではないかもしれませんが、昼過ぎに主力商品が完売すれば、その後の販売機会を失います。

一方、欠品を恐れて大量に仕入れれば、イベント終了後に在庫が残るリスクがあります。

そのため販売予測を基準にしながら、安全在庫、追加製造の可否、食材の転用性、納品タイミングなどを組み合わせます。

複数日開催の場合は、初日の販売実績から翌日の仕込み量を調整できる体制を作ることも有効です。

IPイベントではフードそのものがコンテンツになる

アニメ、漫画、ゲームなどのIPイベントでは、飲食は単なる食事ではありません。

キャラクター、作品内の料理、学校やチーム、ストーリーなどをモチーフに商品を作ることで、フード自体がイベント体験の一部になります。

その一方で、デザインを優先しすぎて盛り付け工程が増えると、大量提供が難しくなることがあります。

作品らしさを残しながら、数百食・数千食を同じ品質で提供できる仕様へ落とし込むことが必要です。

容器、カップ、スリーブ、ピックなどを使って世界観を表現し、料理側の工程を減らす方法もあります。

イベントフードの企画はこの順番で進める

実際にイベント飲食を企画するときは、次のような順番で整理すると全体を組み立てやすくなります。

  1. イベント概要・来場者数を確認する
  2. 飲食の目的を決める
  3. 飲食利用者数と販売点数を予測する
  4. 出店方式を決める
  5. メニューを開発する
  6. 商品ごとの提供時間を確認する
  7. 必要な厨房能力を算出する
  8. 厨房設備・電源・給排水を決める
  9. ピーク販売数からレーン数を決める
  10. 工程ごとにスタッフを配置する
  11. 会計・受け渡し・来場者動線を設計する
  12. 発注数と安全在庫を決める
  13. 当日の販売実績を見ながら調整する

この順番で考えると、メニュー、設備、人員を別々に決めてしまうことを防ぎやすくなります。

イベントフードを外部へ依頼するときに確認したいこと

イベント飲食を外部の会社へ依頼する場合は、単に「料理を作れる会社か」だけではなく、どこまで対応できるかを確認します。

メニュー開発だけを行う会社もあれば、キッチンカーや飲食店の手配を中心とする会社もあります。

大型イベントでは、販売予測、仮設厨房、設備、スタッフ、販売オペレーションまで対応できる会社もあります。

自社でどこまで担当し、どこから外部へ依頼したいのかを整理しておくと会社を比較しやすくなります。

イベントフードの制作会社については、イベント・フェスのフード制作会社|飲食企画・メニュー開発・厨房設計・運営までで詳しく紹介しています。

Team Cafe Tokyoのイベントフード企画・運営

Team Cafe Tokyoでは、イベント・フェス・IPイベントなどのフード企画から商品開発、厨房設計、販売オペレーション、当日の運営まで対応しています。

イベント規模に対して単純に店舗数やスタッフ数を当てはめるのではなく、来場者数、飲食利用率、平均購入点数、提供時間などから必要な販売能力を組み立てます。

その上で、イベントに適したメニュー、厨房設備、販売レーン、人員配置、電源・給排水などを設計します。

会場に厨房がないイベントや、イベントオリジナルフードを大量提供したい案件についても、企画段階から検討できます。

大型イベントの飲食企画・運営については、Team Cafe Tokyo 大型イベント飲食サービスをご覧ください。

イベントフードは販売当日より前の設計で決まる

イベントフードで重要なのは、当日にスタッフが頑張って販売することだけではありません。

必要販売数に対して厨房能力が足りなければ、現場だけでは解決できません。

提供に時間がかかるメニューを大量販売しようとすれば、販売レーンを増やしても厨房が追いつかないことがあります。

逆に販売数を予測し、提供速度を考えてメニューを作り、必要な厨房と販売能力を事前に用意できれば、当日の運営は大きく変わります。

来場者数 → 飲食利用率 → 販売数 → メニュー → 厨房 → レーン → スタッフ → 会計・受け渡し

イベントフードは、この流れを一つにつなげて考えることが重要です。

まだメニューや販売数が決まっていない段階でも、来場者数や会場条件から飲食エリアの規模を検討できます。イベントでフード・ドリンクの企画や運営を検討している場合は、Team Cafe Tokyoまでお気軽にご相談ください。

合わせて読みたい→フェスのフード出店はどう作る?キッチンカー・テント・集中厨房の違い
大型イベントで必要な飲食販売数の計算方法
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大型イベントの仮設厨房に必要な設備とは?電源・給排水・厨房機器の設計方法
大型イベントで必要な飲食レーン数の計算方法
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