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ウッドベリーのコーヒーかすが三鷹の畑へ|冨澤ファームと育てる地域の循環

冨澤ファームの畑で話すウッドベリーの澤口さん(左)と園主の冨澤剛さん(右)。公式発表の写真

いつものカフェで飲む一杯の、その後を考えたことはありますか。東京・神奈川に店舗を展開するウッドベリーコーヒーが、三鷹市の冨澤ファームとともに、抽出後のコーヒーかすを堆肥に変える取り組みを続けています。株式会社ウッドベリーコーヒーの2026年10月13日の発表によると、同年4月から10月までの約半年間に回収・堆肥化した量は累計5,400kg。店から出た資源が畑を育て、そこで採れた野菜が再び店へ戻る、東京のカフェと農園のつながりを紹介します。

アイキャッチ写真:冨澤ファームの畑で話す、プロジェクト担当の澤口さん(左)と園主の冨澤剛さん(右)。写真出典:株式会社ウッドベリーコーヒー/PR TIMES

一杯の先にある「WOODBERRY COFFEE COMPOST PROJECT」

始まりは、スタッフが参加した農業ボランティア

協働のきっかけは、ウッドベリーのスタッフが農業ボランティアを通じて冨澤ファームに出会ったこと。同社の公式ウェブマガジンでは、担当の澤口優稀さんと園主の冨澤剛さんが、その経緯を語っています。澤口さんはコーヒーの買い付けで生産国を訪れ、農業と暮らしが自然環境に支えられていることを実感。日本の農家の仕事にも目を向け、当時の職場である荻窪店の近くで援農先を探したといいます。

冨澤ファームは、三鷹で100年以上続く農園。冨澤さんは4代目で、年間約30種類の野菜を育てるほか、農業体験などを通じて人が集まる場づくりにも取り組んでいます。落ち葉や米ぬか、家畜由来の有機物など、地域で生まれるものを土づくりに使ってきた農園の経験が、今回のコーヒーかすの受け皿になりました。

荻窪店の月1回から、全店舗の週1回へ

回収は、荻窪店のコーヒーかすを月に1回引き取るところから始まりました。公式対談で冨澤さんは、荻窪方面へ定期的に出かける用事があり、その際に立ち寄れたことを説明しています。地域の距離感や日々の動線が、実際に続けられる仕組みをつくる手がかりだったことがうかがえます。

10月13日の発表時点では、回収対象は全店舗に広がり、週1回、約200kgを農園の堆肥場へ運ぶ体制になっています。公式対談によると、澤口さんも社内物流の部署に移って運搬を担当するようになりました。店舗で集める人と農園で受け入れる人、その間を運ぶ人の仕事がつながって、継続的な資源利用が成り立っています。

野菜の残さや卵殻などの有機物が入った冨澤ファームの堆肥場。ウッドベリー公式発表の写真

写真出典:株式会社ウッドベリーコーヒー/PR TIMES。地域の有機物を活用する冨澤ファームの堆肥場。

農園では、回収したコーヒーかすを植物由来の有機物などと混ぜ、分解・発酵させてから熟成させます。発表では、コーヒーかすは水分を保ちやすく、単独では水分過多になりやすいと説明されています。ほかの材料を組み合わせ、空気の通りや水分量を調整することが必要で、そこに農園が積み重ねてきた堆肥づくりの知見が生かされています。

完成した堆肥は、収穫を終えた畑で次の作物を育てるための土づくりに使います。抽出後の粉を集めて終わりではなく、農地で活用できる状態まで育てる工程があるのが、この取り組みの大切な点です。家庭での再利用に関心がある人も、公式対談で語られる水分管理や熟成の過程を読むと、店から畑までの間にどんな手間があるのかを具体的に知ることができます。

畑で育った野菜が、またカフェへ戻ってくる

同社は、こうした堆肥を使った土壌で栽培した野菜を店舗で提供していると発表しています。公表された累計はミニトマト886個、ナス98本。いずれも同社の発表値で、個別店舗の当日の入荷やメニューを示す数字ではありません。抽出後のコーヒーかすが、土づくり、栽培、収穫を経て店に戻る流れが、食事にもつながり始めています。

カフェを選ぶとき、豆の産地や焙煎に加えて、その店が地域の誰と仕事をしているかを知ると、楽しみ方も広がります。今回なら、コーヒーを届けるスタッフと三鷹の農家の仕事を、同じ一杯の背景としてたどれることが魅力です。農園の野菜を目当てに訪れる場合は、提供状況を店舗に確認しておくとよいでしょう。

5,400kgの実績と、約3.6t-CO₂の参考試算を分けて読む

発表に登場する二つの数字は、意味が異なります。5,400kgは、約半年間に回収・堆肥化したコーヒーかすの累計量です。一方、約3.6t-CO₂は、その全量を焼却処理したと仮定した場合の排出量について、同社が計算した参考値。今回の活動で実測されたCO₂削減量ではありません。

計算は5,400kgに参考排出係数0.671kg-CO₂/kgを掛けたもので、結果は3,623.4kg-CO₂です。同社の説明では、この係数は一般的な事業系食品残さの運搬・焼却処理に関する数値で、コーヒーかす固有のものではありません。回収・運搬や堆肥化に伴う排出も含めた評価は、今後の課題とされています。

現時点で注目したいのは、環境効果を大きな数字で言い切ることより、店舗から継続して資源を集め、受け入れる農園と食材として戻す経路を築いていること。同社は、店舗運営との両立や運搬・堆肥化の負担に向き合いながら取り組みを続ける方針です。カフェと農家の双方に無理のない形で、この循環がどう育っていくかを追いたいニュースです。

背景をさらに知りたい人には、同社の公式対談がおすすめです。Part 01「循環を育む場所」では冨澤ファームと地域のつながり、Part 02「コーヒーが土に還るまで」では回収や堆肥づくりの経緯が紹介されています。店を訪れる前に作り手の考えを知る読み物としても楽しめます。

情報確認日:2026年10月14日。取り組みの実績・運用状況は2026年10月13日の企業発表に基づきます。

出典:株式会社ウッドベリーコーヒーの公式発表(PR TIMES、2026年10月13日)、上記公式ウェブマガジン。本文は公開資料に基づくニュースで、独自の現地取材・試飲によるものではありません。

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