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スペシャルティコーヒー専門店の選び方|初心者が失敗しない7つのポイント

専門店のカウンターでバリスタがハンドドリップするイメージ

スペシャルティコーヒー専門店は「有名店か」より、自分の目的に合うかで選ぶ

スペシャルティコーヒーの専門店へ行ってみたいと思っても、浅煎り、シングルオリジン、ナチュラル、ウォッシュト、ハンドドリップなど、初めて見る言葉が多くて店選びの段階で迷うことがあります。東京にはロースタリー併設店、スタンド型、エスプレッソ中心、ハンドドリップ中心など店のタイプも多く、「人気店だから自分にも合う」とは限りません。

そこで、店名のランキングから入るのではなく、まず「何を飲みたいか」「どんな時間を過ごしたいか」「豆も買いたいか」を決めるのがおすすめです。専門店は店ごとに焙煎思想や抽出方法が違うため、選び方の軸を持つと一杯の満足度が大きく変わります。

日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)は、スペシャルティコーヒーについて、カップの中の風味が素晴らしく、豆からカップまでの各段階で一貫した品質管理が行われることを重視しています。さらに、サステナビリティやトレーサビリティも重要な要件としています。つまり、単に「高価な豆」「浅煎りの豆」という意味ではありません。

最初に決めるのは「店」ではなく飲みたい味

スペシャルティコーヒー専門店を選ぶとき、最も分かりやすい基準は味の方向性です。苦味とコクをしっかり感じたい人と、柑橘や花を思わせる明るい香りを楽しみたい人では、向く店が違います。

好み 店で伝える言葉 選びやすい方向
苦味・コクが好き 酸味は控えめでコクがあるもの 中深煎り〜深煎り、ブレンド
バランス重視 甘さがあり飲みやすいもの 中煎り、中南米系
華やかな香りが好き フルーティーで軽いもの 浅煎り、エチオピアなど
違いを楽しみたい 個性が分かりやすい豆 シングルオリジン

「おすすめをください」だけでも注文できますが、苦味、酸味、甘さ、軽さ、重さのどれが好きかを一つ伝えるだけで、バリスタは提案しやすくなります。自分の好みがまだ分からない場合は「普段はコンビニのブラックコーヒーを飲む」「カフェラテが好き」など、日常の飲み方を伝えても十分です。

ポイント1|浅煎り・中煎り・深煎りの比率を見る

専門店のメニューを見ると、その店がどんな味を得意としているかが分かります。浅煎りのシングルオリジンが中心なら、産地ごとの香りや酸味を楽しませる設計である可能性が高く、深煎りやブレンドが多ければ、苦味やコク、ミルクとの相性を重視していることがあります。

ただし、浅煎りだから上質、深煎りだから古い、という優劣ではありません。焙煎度は味を設計する方法の一つです。初めてなら、極端な浅煎りや深煎りから入るより、店の定番ブレンドや中煎りを一度飲み、自分の基準を作ると次の注文がしやすくなります。

ポイント2|シングルオリジンとブレンドの違いを知る

シングルオリジンは、特定の生産国、地域、農園、ロットなど由来が明確なコーヒーです。産地固有の風味を比較したいときに向いています。一方のブレンドは、複数の豆を組み合わせ、甘さ、コク、後味などを店が狙った方向へ設計したものです。

初心者だから必ずブレンド、上級者だからシングルオリジンという区分ではありません。むしろ初回は店のハウスブレンドを飲むと、その店の味の基準をつかみやすくなります。次にシングルオリジンを注文し、「もっと華やか」「もっと苦め」と比較すると、自分の好みを言葉にしやすくなります。

ポイント3|抽出方法を選べる店か確認する

同じ豆でも、ハンドドリップ、エスプレッソ、フレンチプレスなど抽出方法によって味の見え方は変わります。ハンドドリップは風味の輪郭を確認しやすく、エスプレッソは濃度が高いため甘さや酸味、苦味が凝縮されます。ラテならエスプレッソとミルクの組み合わせで店の方向性が分かります。

初めての店で迷ったら「この豆なら、どの抽出がおすすめですか」と聞くのも有効です。抽出器具の数が多い店が必ず優れているわけではなく、店が一つの方法に絞り、その方法で完成度を高めているケースもあります。

ポイント4|ロースタリー併設か、豆の仕入れ型かを見る

店内や別拠点で自家焙煎するロースター系の店では、豆の選定から焙煎、抽出まで一貫して設計していることが多く、焙煎担当者の考えが味に反映されます。一方、自店で焙煎せず、国内外のロースターから豆を仕入れて提供する店は、複数ロースターの味を一カ所で比較できることがあります。

「自家焙煎だから必ず上」ではありません。大切なのは、使っている豆の情報、焙煎者、焙煎度、抽出意図についてスタッフが説明できるかです。専門店らしさは設備の豪華さだけではなく、豆からカップまでの情報がつながっているかで判断できます。

ポイント5|メニューに産地・精製方法・風味情報があるか

スペシャルティコーヒーの楽しさは「このコーヒーがどこから来たのか」を知りながら飲めることにもあります。メニューや豆袋に、生産国、地域、農園、品種、精製方法、焙煎度、フレーバーの説明などがあると比較しやすくなります。

ただし、情報量が多いほど品質が高いという意味ではありません。初心者にとって大切なのは、その情報をスタッフが分かりやすい言葉へ翻訳してくれることです。「ナチュラルだから何が違うのか」「このフレーバー表記はどう感じればいいのか」を聞いたとき、飲み手に合わせて説明してもらえる店は選びやすい専門店です。

ポイント6|豆を買うなら焙煎日と少量販売を確認する

店で飲んで気に入ったら、豆を持ち帰るのも専門店の楽しみ方です。購入時は焙煎日、豆のままか粉か、100gなど少量で買えるか、自宅の抽出器具に合わせて挽いてもらえるかを確認します。

Specialty Coffee Association(SCA)は、焙煎後のコーヒーでは最初の数週間にガス放出や香りの変化が大きく進むと解説しています。また、粉にすると変化がはるかに速くなります。自宅にミルがあるなら豆のまま買い、飲む直前に挽く方が香りを保ちやすくなります。

一度に500gを買って長期間置くより、最初は100〜200g程度を試し、飲み切ってから次の豆を買う方が好みを見つけやすくなります。

ポイント7|「滞在したい店」か「一杯に集中する店」かを分ける

コーヒー専門店は、席数が多くゆっくり過ごせるカフェ型と、カウンター中心で短時間の利用に向くスタンド型では使い方が違います。PC作業、会話、散歩途中のテイクアウト、豆選びなど、自分の目的によって店を選びます。

目的 向いている店 確認すること
一杯をじっくり味わう ハンドドリップ中心 豆の選択肢、抽出方法
短時間で飲む コーヒースタンド テイクアウト対応
ラテを楽しむ エスプレッソ中心 ミルクメニュー
豆も購入する ロースタリー・豆販売店 焙煎日、販売単位
ゆっくり過ごす 席数のあるカフェ型 席、利用ルール

初回来店で味を比較するなら「基準の一杯」を決める

店ごとの違いを知りたいなら、毎回違うメニューを注文するより、最初は同じ条件で比べる方が分かりやすくなります。たとえば各店でハウスブレンドのハンドドリップを頼む、またはカフェラテを頼む、と基準を決めます。すると、焙煎の深さ、甘さ、後味、ミルクとのバランスなど、店ごとの方向性を比較できます。

次に同じ店でシングルオリジンへ進めば、店の定番と個性の強い豆の差が見えます。いきなり高価な限定豆から始めるより、基準の一杯を持つ方が「何が好きなのか」を判断しやすくなります。

価格だけで店の価値を判断しない

スペシャルティコーヒーは、豆の価格、生産ロット、輸送、焙煎、抽出、店舗運営など複数の要素で一杯の価格が決まります。安いから質が低い、高いから必ず自分に合う、という単純な比較はできません。

見るべきなのは、その価格でどんな体験が得られるかです。豆の選択肢が多い、バリスタが提案してくれる、抽出を選べる、生産情報が確認できる、店内で飲んだ豆をそのまま購入できるなど、価格以外の価値も含めて判断します。

東京で専門店を探すときはエリアより「目的」で絞る

東京では清澄白河、渋谷、表参道、蔵前、神保町など、複数エリアに専門店があります。しかし「有名エリアだから行く」だけでは、自分に合う店へたどり着けないことがあります。まず、浅煎りを試したい、エスプレッソを飲みたい、豆を買いたい、ロースタリーを見たい、と目的を決め、その条件に合う店を探す方が効率的です。

表参道周辺で具体的な店舗を探している場合は、表参道で美味しいコーヒーが飲める専門店特集も参考になります。ブランド単位で店舗を探す場合は、ブルーボトルコーヒー店舗ガイドも確認できます。

専門店で初心者が聞いていい5つの質問

  1. 酸味が苦手ですが、飲みやすい豆はありますか
  2. この店で最初に飲むなら何がおすすめですか
  3. ブラックで飲むならどの豆が合いますか
  4. 家ではペーパードリップですが、どの豆が向きますか
  5. この豆はどんな味を意識すると分かりやすいですか

専門用語を覚えてから行く必要はありません。むしろ、自分が普段飲んでいるコーヒーや苦手な味を伝える方が、スタッフは提案しやすくなります。

よくある疑問|スペシャルティコーヒー専門店は初心者でも入りやすい?

入りやすさは店のスタイルによりますが、専門知識がないこと自体は問題ではありません。注文時に「初めてです」と伝えれば、定番や飲みやすい豆を案内してくれる店も多くあります。メニュー用語が分からないときは、そのまま質問して構いません。

また、浅煎りが苦手でも専門店を避ける必要はありません。中煎りや深煎り、エスプレッソ、ラテを得意とする店もあります。「スペシャルティコーヒー=酸っぱいコーヒー」と決めつけず、好みを伝えて選ぶ方が失敗しにくくなります。

スペシャルティコーヒー専門店選びの結論

専門店を選ぶときは、知名度だけで比較せず、焙煎度、豆の構成、抽出方法、ロースタリーの有無、産地情報、豆販売、滞在目的の7点を見ると失敗が減ります。最初の一杯で自分の基準を作り、そこから「もう少し華やか」「もう少し苦め」と次の一杯へ広げていくのが、専門店を楽しむ一番分かりやすい方法です。

スペシャルティコーヒーそのものの産地や品種について詳しく知りたい場合は、コーヒー豆の種類・産地とスペシャルティコーヒーの基礎も合わせて読むと、店頭の説明が理解しやすくなります。

参考:日本スペシャルティコーヒー協会「スペシャルティコーヒーの定義」Specialty Coffee Association「What is freshly roasted coffee?

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