注文を受けてから焙煎する店に、珈琲を飲みながら話せる場所が加わる
豆を選んで、その注文に合わせて焙煎してもらう。2003年に神楽坂で開店し、現在は江戸川橋で営業する「神楽坂珈琲焙煎所」が、近隣の地蔵通り商店街へ移る。移転先でも注文後に焙煎する方法を続けながら、店内で一杯を楽しめる席やカウンターを設ける計画だ。
運営する株式会社リルが2026年10月30日に発表した。新しい住所は文京区関口1丁目2-7。現店での営業は11月末までに終了し、12月中旬に新店で再開する予定となっている。ただし、イートインは営業再開と同時に始まるとは限らない。豆を買いに行く日と、店内で飲む日では、待つべき案内が異なる移転だ。
写真を含む移転告知は現店舗を紹介したもの。画像提供:株式会社リル/PR TIMES。
豆の相談から、その場で飲み比べる楽しみへ
同店は、世界各地の生豆を注文ごとに焙煎し、好みに合わせて提供してきた。焙煎豆の販売だけでなく、どんな豆を選ぶか、自宅ではどう淹れるかという相談にも応じている。移転で変わるのは、その相談を店内で珈琲を飲みながら続けられるようにする点だ。
会社の説明によると、現店舗は建物の構造上、イートインスペースを設けることが難しかった。豆の販売とテイクアウトを中心とした営業から、腰を落ち着けて飲める場所へ。地域での営業を続けつつ、提供できるサービスを広げるために移転を決めたという。
新店でも焙煎豆の販売とテイクアウトは継続する計画で、店内では珈琲に合う菓子や、珈琲豆を使ったスイーツも検討している。豆を持ち帰るだけの日にも、店で一杯飲みたい日にも立ち寄れる店を目指す。その一方で、菓子の具体的な品名や価格は今回の案内では示されていない。写真や構想から、開店時のメニューを先回りして決めつけることはできない。
移転先は、地蔵通り商店街のパン屋跡地

江戸川橋・地蔵通り商店街。写真提供:株式会社リル/PR TIMES。
移転先に選んだのは、商店街の1階路面区画。パン屋「サンエトワール」があった場所だ。現店舗の関口1丁目3-5から、同じ関口一丁目の中で移るため、店名の「神楽坂」だけを頼りに別の地域へ向かう必要はない。新旧どちらも江戸川橋の店として、住所を分けて覚えておきたい。
発表では、これまでの利用客の通いやすさを保ちながら、買い物や散歩の途中にも立ち寄れる店を目指すとしている。商店街のイベントやマルシェ、近隣店舗との連携も今後の構想に含まれる。現時点で具体的な出店日や企画名が決まっているという案内ではなく、移転後に地域との関わりを深めていく方針として受け取れる。
イートインと講座は、営業再開とは分けて待つ
新店の計画で気になるのは、ハンドドリップ講座や、焙煎度・抽出器具の違いを比べる飲み比べ体験だ。初心者向けの珈琲講座も予定されており、家で淹れる一杯について相談するだけでなく、違いを知る機会を設けようとしている。
例えば、豆の焙煎度を変えることと、抽出に使う器具を変えることは、別の選択になる。どちらが自分の好みに関係していそうかを考える場として、こうした体験には関心が向く。ただし、比較に使う豆や器具、実施日、参加料金、所要時間、予約方法は、今回確認した公式案内にはまだ掲載されていない。特定の飲み比べセットを常時注文できるとする内容でもない。
店舗公式の移転告知は、イートインについて「新店舗の営業開始後、準備が整い次第」と案内している。12月中旬の再開予定は、まず新店舗の営業についての目安であり、店内飲食や講座の開始日を約束するものではない。これらを目的に訪ねる場合は、そのサービスの開始告知まで待つ必要がある。
11月は現店へ。移転前後の予定と住所
移転案内が出た後も、直ちに新住所で営業するわけではない。11月3日時点の案内をもとに、来店先と移転の段階をまとめた。工事や準備の状況で変わる可能性があり、現店の最終営業日、新店の具体的な開店日は、決まり次第ホームページや公式SNSで知らせるとしている。
| 時期・段階 | 案内されている内容 | 所在地・来店時の注意 |
|---|---|---|
| 2026年11月末まで | 現店舗での営業を終了予定 | 文京区関口1丁目3-5 ロジビル1F。最終営業日は未発表 |
| 2026年12月初旬 | 移転・開店準備のため休業予定 | 移設期間中の店舗利用を予定に組み込まない |
| 2026年12月中旬 | 新店舗で営業再開予定 | 文京区関口1丁目2-7、旧サンエトワール跡地。具体的な開店日は未発表 |
| 新店舗の営業開始後 | 準備が整い次第、イートイン開始予定 | 店内飲食・講座の開始告知は別途確認 |
10月30日の会社発表に記載された現店舗の通常営業時間は11〜19時、定休日は月曜・金曜。この時間をそのまま移転後の営業時間として使うことはできない。新店の営業日時やメニュー価格、移転に伴う臨時の変更は、店からの続報を確認してから予定を立てたい。
日頃の豆の購入を続けたい人には、休業予定の12月初旬が切り替わりの目安になる。店頭で好みを伝える際には、普段使う器具、豆か粉か、いつも飲む量を整理しておくと注文の相談につながる。具体的な伝え方は、コーヒー豆を店で買うときの注文ガイドでも紹介している。
移転にあたっては、内装や設備などの費用の一部を募るクラウドファンディングも、11月1日〜12月25日の日程で発表されている。募集の終了日は、イートインの開始日ではない。今回の移転を知って初めて店へ行く人は、支援募集の日程よりも、自分が利用したい販売・飲食・体験の営業案内を基準にすると行き違いを避けられる。
出典:株式会社リルの移転発表(2026年10月30日)、神楽坂珈琲焙煎所の移転告知(2026年10月29日)。内容は2026年11月3日の確認時点。
