出典:株式会社SAL
朝はコーヒーとパンケーキ、夜はムール貝の白ワイン蒸し。富ヶ谷の「WR.Yoyogi Park(ダブリューアール ヨヨギパーク)」は、学芸大学のコーヒースタンド「WR.」から、食事の時間へと楽しみを広げたオールデイダイニング&カフェだ。運営する株式会社サールは、2026年10月30日の発表で、開業日を11月6日と案内している。
土台にあるのは、学芸大学店から受け継ぐスペシャルティコーヒー。その一杯に合わせる焼き菓子や昼のサンドイッチを揃えながら、ディナーには幡ヶ谷「キッチンかねじょう」の上松晃大氏が監修する料理を用意する。朝、午後、夜と、同じ店へ立ち寄る理由が変わるところに新しいWR.の面白さがある。
一杯のコーヒーを入口に、食事を目当てにする店へ
朝の選択肢はドリップ、エスプレッソ、ラテ
コーヒーはハンドドリップ、エスプレッソ、カフェラテを展開する。朝食やランチにはパンケーキやサンドイッチを揃え、コーヒーだけの短い休憩にも、食事を伴う時間にも応える構成だ。開店時刻は8時。朝食は11時まで、11時から17時はランチとカフェ、18時からはディナーという時間割が発表されている。
昼の料理にも、監修者の手仕事が見える。発表によると、自家製ロースハムは花椒やシナモンなどのスパイスに3日間漬け込み、低温で調理する。それをクレソン、ピクルスと合わせたのが「自家製ロースハムとクレソンのサンド」。エビと卵を使う「エビ玉子カツサンド」には海苔佃煮のマヨネーズを合わせ、黒パンで挟む。具材だけでなく、香辛料やソース、パンまでが組み合わせの要になっている。
焼き菓子は、にんじんの削り方から
午後のコーヒーに合わせる焼き菓子を監修するのは、国際薬膳師の有田千幸氏。中医薬膳料理教室を主宰し、植物性の焼き菓子「千/cen」の提供やレシピ開発にも携わってきた。WR.Yoyogi Parkでは、ヴィーガンの焼き菓子を展開する。
キャロットケーキは、にんじんをチーズグレーターで厚めにおろし、なつめ、グリーンレーズン、クコの実を一緒に焼き込むという。単ににんじんを生地へ混ぜるだけでなく、削り方と合わせる実に具体的な選択がある。ほかにも梨の豆乳ヨーグルトケーキ、抹茶と白胡麻のマフィンが発表されており、果物や胡麻を使った焼き菓子から選べる。

出典:株式会社SAL
パリの公園周辺で出会った食文化を、夜の皿へ
夜のメニューを理解する手掛かりは、上松氏がパリ19区のラ・ヴィレット公園周辺で過ごした約1週間にある。運営会社は、フランスのカフェやビストロと、北アフリカ、中東、アジアの食文化が隣り合う土地での経験を、料理の着想源として紹介している。
上松氏は都内のフレンチレストランやビストロで10年以上経験を積み、ワインバーやスパイスカレー店を経て、2021年に「キッチンかねじょう」を開いた。WR.の料理も、ウフマヨやキャロットラペ、ステークフリットといったビストロの定番を基礎に、ハリッサ、クミン、タヒニなどを取り入れる。
たとえばムール貝の白ワイン蒸しは、スペイン・ガリシア産の貝にタイのグリーンカレーを重ねる仕立て。「中華麺の魚醤カチョエペペ」には鹿児島「サカノウエユニーク」の中華麺を使い、昆布出汁と魚醤、ペコリーノチーズ、黒胡椒を合わせる。料理名になじみがあっても、材料の組み合わせをたどると、フランス料理だけでは収まらない背景が見えてくる。
夜の飲み物にも、麹やハーブを
料理に合わせる飲み物は、白・オレンジ・赤のグラスワイン、ボトルワイン、クラフトビールだけではない。カクテルとモクテルは、富ヶ谷の紹介制スナックバー「上終(かみはて)」を営む岩本彩氏が監修する。パリのバーなどで経験を重ねた岩本氏が、クラシックカクテルに東洋的な素材や旨味を加える構成だ。
発表されたカクテルには、コーヒー&カスカラ ネグローニ、甘酒とボタニカルのサワー、オリエンタル塩麹ピニャコラーダがある。一方、ノンアルコールのホームメイドレモネードにはレモングラス、レモンバーベナ、タイムを使用。ハーブスマッシュにはキュウリ、バジル、ライムを合わせる。お酒を飲むかどうかにかかわらず、料理と一緒に飲み物の素材にも目を向けられる。
石材店で選んだカウンターが、昼と夜をつなぐ
一日を受け止める空間は、樋田明広氏がデザインした。運営会社によると、大理石カウンターの石材はプロジェクトメンバーが岐阜県・関ヶ原の石材店へ足を運んで選び、ロングテーブルも木材店で素材を探すところから取り組んだという。大きなガラス窓と石、木を組み合わせた内装には、カウンター席、テーブル席、通りに面するテラス席を設けている。
照明は間接照明を中心に計画し、昼のカフェと夜のダイニングで表情を変える設計だ。コーヒーを飲む席と、料理を囲む席を別々の店に求めるのではなく、同じ素材の空間で過ごし方を変える。料理や飲み物を増やすだけでなく、時間帯に合わせて居場所をつくるところまでが、この店のオールデイという考え方につながっている。
17〜18時は休止。予約はディナーのみ
運営会社の店舗ページが案内する営業時間は毎日8〜23時。ただし17〜18時は一時クローズするため、夕方に訪れるならこの1時間を外したい。予約を受け付けるのはディナーだけで、朝・昼・カフェは予約なしで来店する方式だ。夜の食事はフードのラストオーダーが22時、飲み物は22時30分となる。
| 項目 | 店舗情報 |
|---|---|
| 店名 | WR.Yoyogi Park |
| 住所 | 東京都渋谷区富ヶ谷1-14-13 メゾンテオブロマ1F |
| 席数 | 44席(店内37席、テラス7席) |
| 時間帯 | 朝食8〜11時/ランチ&カフェ11〜17時/ディナー18〜23時 |
| ディナー予約 | 公式案内の予約ページ |
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